子どものBGM・画像の無断使用は大丈夫?親子で防ぐSNSの著作権トラブル

子どものBGM・画像の無断使用は大丈夫?親子で防ぐSNSの著作権トラブル

今回取り上げるのは、こちらの記事。

・「子どもがBGM、画像を無断使用…親に「高額請求」も!? 夏休みのSNSトラブル予防策【弁理士が解説】」(オトナンサー)
https://otonanswer.jp/post/378900/

夏休みは、子どもたちが動画投稿や自由研究、工作、イラスト制作などに取り組む機会が増える時期です。

YouTubeやTikTokにダンス動画を投稿したり、ゲーム実況を配信したり、完成した作品をSNSで紹介したりすることも、今では珍しくありません。

子どもが自分の考えや作品を発信することは、創造力や表現力を育てる貴重な経験です。

一方で、投稿に使った音楽や画像をきっかけに、思わぬ著作権トラブルが起こる可能性もあります。

「子どもがやったことだから大丈夫」

「利益を得ていないから問題ない」

そう考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。

この記事では、子どものSNS投稿について親御さんが知っておきたい著作権の基本と、家庭でできる予防策をご紹介します。


子どもの投稿でも著作権侵害になることがある

著作権は、音楽、写真、イラスト、動画、文章などを創作した人に認められる権利です。

インターネットで簡単に見つけられる画像や音楽にも、原則として著作権があります。

例えば、次のような行為には注意が必要です。

  • 市販の楽曲を無断で動画のBGMにする
  • アニメや漫画の画像を動画に使用する
  • 検索して見つけた写真を自由研究に貼り付ける
  • 他人が描いたイラストを自分のSNSに転載する
  • 他人の動画の一部を切り抜いて投稿する

子どもが行った場合でも、「年齢が低いから著作権侵害にならない」というわけではありません。

また、次のような事情だけで、無断利用が認められるわけでもありません。

  • 悪気がなかった
  • 法律を知らなかった
  • みんなもやっていた
  • お金をもらっていなかった

著作権侵害は、悪意がなくても起こり得る問題です。


音楽が入っていれば、すべて違法なのか

動画に音楽が入っているからといって、直ちにすべてが著作権侵害になるわけではありません。

YouTubeやTikTokなどでは、サービス内で利用できる音源が公式に提供されている場合があります。利用条件の範囲内で使用するのであれば、問題にならないケースもあります。

一方で、次のような利用には注意が必要です。

  • スマートフォンに保存している市販の楽曲を動画に付ける
  • 別のWebサイトから入手した音源を使用する
  • 他人の投稿から音楽を抜き出して使う
  • 利用条件を確認せず、フリー素材だと思い込んで使う

大切なのは、「好きな音楽だから使う」という感覚だけで判断しないことです。

その音楽がどこで提供され、どのような条件で利用できるのかを、投稿前に確認する必要があります。


いきなり高額請求されるとは限らない

子どもの投稿に問題があったとしても、直ちに高額な損害賠償を請求されるケースばかりではありません。

実際には、次のような対応が先に取られることもあります。

  • 投稿サイトによる動画の公開停止
  • 投稿の削除
  • 権利者からの申し立て
  • アカウントへの警告や利用制限

ただし、無断利用の内容や規模、権利者に生じた損害などによっては、削除だけでなく、損害賠償などの問題に発展する可能性があります。

「問題があれば削除すればよい」と軽く考えるのは危険です。

一度インターネットに投稿した画像や動画は、第三者によって保存されたり、転載されたりする可能性があります。

後から元の投稿を削除しても、完全に回収できるとは限りません。


子どもの投稿で親が責任を負う可能性も

子どもが著作権侵害をした場合、状況によっては親御さんが民事上の責任を負う可能性があります。

具体的には、次のような事情を踏まえて個別に判断されます。

  • 子どもの年齢
  • 子どもの理解力や判断能力
  • 投稿の内容
  • 親がどのような監督をしていたか
  • 権利者にどのような損害が生じたか

そのため、「子どもが勝手に投稿したことなので、親には関係がない」と一概に言い切ることはできません。

もっとも、親が投稿に関与していない場合に、親自身が直ちに刑事責任を問われるという話ではありません。

必要以上に怖がる必要はありませんが、スマートフォンを渡した後は完全に子ども任せにするのではなく、どのような投稿をしているのかを時々一緒に確認することが大切です。


自由研究やコンクール作品にも注意

著作権の問題は、SNSだけではありません。

夏休みの自由研究や学校の作品、コンクールへの応募でも注意が必要です。

例えば、次のようなケースが考えられます。

  • インターネット上の写真を自由研究に掲載する
  • 漫画やアニメのキャラクターを描いて応募する
  • 他人の作品を参考にしすぎたイラストを提出する
  • 生成AIで作成した画像を自分の作品として応募する
  • 他人の文章や解説をそのまま書き写す

学校内の授業や課題で認められる利用と、その作品を一般公開したり、校外のコンクールに応募したりする場合とでは、著作権上の扱いが異なることがあります。

また、生成AIを使って作った画像についても、応募先の規約で利用が禁止されていたり、使用方法の申告が求められたりする場合があります。

受賞後に問題が判明すれば、賞の取り消しなどに発展する可能性もあります。

その場合、子ども本人だけでなく、家族や学校、審査に関わった方々にも影響が及びます。


家庭でできる著作権トラブルの予防策

著作権トラブルを防ぐために、親御さんが法律の細かな条文を教える必要はありません。

まずは、次の一言を伝えるだけでも十分な第一歩になります。

インターネットにある画像や音楽も、誰かが作った大切な作品だよ。

そのうえで、投稿前に親子で次のような確認をしてみてください。

投稿前の確認項目

  • この画像はどこから持ってきたのか
  • この音楽は動画に使ってよいものなのか
  • 他の人が作ったものが映っていないか
  • 自分で撮った写真や、自分で作った作品なのか
  • 素材の利用条件を確認したか
  • 世界中の人に見られても問題のない内容か
  • 学校やコンクールの応募規約に違反していないか

使ってよいか分からない場合は、無理に使用しないことも大切です。

代わりに、次のような素材を利用する方法があります。

  • 自分で撮影した写真
  • 自分で描いたイラスト
  • 自分で作った音楽
  • 投稿サービス内で公式に提供されている音源
  • 利用条件が明確に示されている素材

投稿前に一度立ち止まる習慣をつけることが、子ども自身を守る力になります。


著作権教育は、創作を禁止するためではない

著作権の話をすると、「子どもの自由な創作を制限してしまうのでは」と心配される方もいるかもしれません。

しかし、著作権教育の目的は、子どもに「何も使ってはいけない」と教えることではありません。

自分の作品が勝手に使われたら、どのように感じるか。

そのことを考え、他人の作品も同じように大切にする。

その感覚を育てることが、著作権を学ぶ本当の意味です。

他人の作品を尊重できる子どもは、自分の作品やアイデアも大切にできるようになります。

SNSや生成AIが身近になり、誰もが簡単に発信できる時代だからこそ、「作る力」と同時に「正しく使う力」を育てることが重要です。

著作権は、子どもの創作を縛るためのルールではありません。

子どもたちが安心して表現し、創作を楽しみ続けるための大切なルールなのです。


子どものSNS投稿や著作権でお困りの方へ

「子どもが使っている画像や音楽に問題がないか心配」
「学校やコンクールに提出する作品について確認したい」
「SNSで著作権に関する警告や削除通知を受けた」

このようなお悩みがあっても、ご家庭だけで法的な判断をすることは簡単ではありません。

サムライツ知財事務所では、著作権をはじめとする知的財産に関するご相談を承っています。

子どもの創作活動を必要以上に制限するのではなく、安心して発信や制作を続けるために、どのような点に注意すべきかを一緒に整理します。

著作権やSNS投稿について気になることがございましたら、サムライツ知財事務所までお気軽にお問い合わせください。

子どもたちの創作と発信を守るために、問題が大きくなる前に確認しておくことが大切です。