「フリー画像」をサムネやアイコンに使う場合の注意点

「フリー画像」をサムネやアイコンに使う場合の注意点

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今回は、「フリー画像」をサムネやアイコンに使う場合の注意点についてお話しします。

みなさんは、サムネやアイコンにどのような画像を使っていますか?
自分が撮った写真や、自分が0から作成した画像の場合は、
よっぽど他の人の作品と酷似していなければ、
著作権の問題は生じないと思います。

しかし、自分以外が撮った写真、
自分以外が作成した画像などの素材を使う場合は、
やはり著作権に気をつける必要があります。

つまり、サムネやアイコンに使う画像をよそから拾ってくる場合は、
著作権法で言う「引用」に該当するか、
または、その「画像の使用について許可をもらっている」か、
どちらかでなければいけないということですね。

「引用」については、ちょっと説明が長くなるので、
今回は「画像の使用について許可をもらっているか」
について解説します。

直接自分で交渉して許可をもらっているならいいのですが、
著作権フリーと呼ばれているものから拾ってくる場合に、
自由に使っていいのかどうか問題になります。

例えば、
Googleの画像検索に出てきたものを使うとか、
TwitterやInstagram、PinterestといったSNSなどに落ちている画像を使うとか、
企業などの公式サイトに載っている画像を使うとか、
知り合いが載せていた画像を使う
といった行為は、
原則として、その画像の著作権者の許可がないとダメです。

著作権の中の「複製権」と「公衆送信権」の
侵害に該当する可能性があるからですね。

では「フリー画像」と書いてあったら大丈夫かと言うと、
そうとも限りません。

表記の上では「フリー画像」と書いてあっても、
実は「フリー画像」ではない場合があるからです。

なんだそれ?と思うかもしれませんが、
実際にあった事件で、
法律事務所のウェブサイトを作る担当の人が、
どこかのサイトから「フリー素材」を見つけてきて、
それを信じて画像を使用したところ、
その画像を元々管理してサービスとして提供していた会社に、
著作権侵害だとして裁判を起こされて、損害賠償請求が認められたことがありました。
(東京地裁平成27年4月15日判決平成26(ワ)24391号損害賠償請求事件)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85082

つまり、「著作権フリー」と書いてあっても、
本当にその人が著作権を持っているとは限らないので、
注意する必要があります。

じゃあどうすればいいのかというと、
ちゃんとしたフリー素材のサイトから、
利用規約やライセンスを確認した上で使うのが安全です。

例えば、写真だと「写真AC」とか「ぱくたそ」とか、
私がよく使っているのは「Pixabay」ですね。
イラストだと、「いらすとや」とか「イラストAC」など。
デザインだと、私のアイコンは「Canva」を使っています。

これらに共通するのは、しっかりと利用規約が記載されていることです。
利用規約もないのに「フリー画像」とか「フリー素材」と謳っているものは、
ちょっと怪しいですね。

あとできれば、有料のプランも用意してあると安心です。
なぜなら、広告だけでサイトを運営するって、
やや不安定であまり収益出ていない可能性があるから、
サイトを閉じてしまう恐れがあるからですね。
そうすると将来的に使えなくなるかもしれません。

ちゃんと収益を出しているとか、長年続いているサイトを
利用することをおすすめします。

あとは、商用利用ができるかとか、
使うコンテンツが禁止事項に引っかかってないかとか、
利用規約やライセンスの項目を確認してから利用してください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。