液体のり(アラビックヤマト)が人の命を救う!?

液体のり(アラビックヤマト)が人の命を救う!?

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みなさんは、「アラビックヤマト」っていう液体ののりをご存知ですか?

私はよく小学校の図工の時間に使っていましたね。
きっとご家庭でも使ったことある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな「アラビックヤマト」が、
3年前に白血病研究に役立つという理由で注目されました。

液体のりと白血病って、なかなか結びつかないと思うんですが、
東京大学医科学研究所の研究チームが、
液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を使うと、
白血病などの血液疾患の治療に重要な役割を果たす
造血幹細胞という細胞を増やすことができることを発見したんですね。
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0530/blnews_190530_7458910050.html

その造血幹細胞の培養液として、
それまで牛の血清成分などが使われてきましたが、
非常に金額が高いことがネックとなっていました。

そこで、液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を用いたところ、
低コストで細胞の老化を抑制した造血幹細胞の増幅が可能になったそうです。
よく発見されたなと思いました。

そして、この話には続きがあるのですが、
今度は東京工業大学の研究チームが、
ポリビニルアルコールを薬剤に混ぜてマウスに投与したところ、
従来の手法よりも癌を小さくすることができたそうです。
今は臨床試験に向けて研究が進められているみたいですね。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54720630S0A120C2000000/

このように、液体のりのアラビックヤマトみたいな既に世の中に知られている物の、
まだ知られていない特性を発見して、
それに基づいて「新しい用途」を発明することを、
用途発明」といいます。

普通、既に世の中に知られている物は、
特許の対象になりませんが、
用途発明なら特許になる可能性があるんですね。

で、これは人間にも言えることだなと思うんですが、
例えば、心配性の人や臆病な人は、
裏を返せば慎重で思慮深いということですから、
そういう特性を活かしていけばいいじゃないですか。

自己中な人は、周囲に流されない強さがあるし、
ケチな人は堅実ですよね。

仮に、私は何の取り柄もない人間なんです、という場合は、
その何の取り柄もないことが、一番の取り柄だったりしますよね。
だって、取り柄がないということは、
自分の強みを探したり、活かしたりする必要ないから、
他の人の役に立つことや、喜ばれることをやればいいじゃないですか。
あるいは、強みを持った人と組むこともできますよね。

こんなふうに、自分が欠点と思っていることも、
新しい用途、新しい使い道を見つけられれば、
世の中に新しい価値をもたらすかもしれません。

ぜひそんな視点を持っていただけたらなと思います。