【初心者向け】stand.fm内で「歌ってみた」の注意点

【初心者向け】stand.fm内で「歌ってみた」の注意点

2021年9月12日

こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。
https://stand.fm/episodes/60974e98abb2ac9774fbe20d

今回は、stand.fm(スタエフ)初心者の方に向けて、お話をいたします。
皆さんは、すでにstand.fmのコミュニティガイドラインは、
ご覧になっていますでしょうか?
https://help.stand.fm/community-guideline

こちらのガイドラインは、
私たちがあんしんしてサービスを利用するために、
利用規約とは別に、stand.fmが作成したものです。

ガイドラインには、
“stand.fmで禁止されていることや注意すること”
について記載されているので、
ぜひ読んでいただきたいなと思います。

それで、その中の「権利に関すること」については、
私は国家資格である弁理士という資格を持っています。
なので、スタエフの公式見解ではないのですが、
有資格者という立場から解説いたします。

★「歌ってみた」の注意点

今回は、「歌ってみた」の注意点について、お話をします。

スタエフの配信者の中には、
歌を歌う配信をされていて、
すごく人気を集めていらっしゃる方も多いですよね。

僕も音楽は好きなので、歌いたくなるのですが、
いかんせん、あまり上手ではないので、
グッとこらえております。

そんな「歌ってみた」配信には、
スタエフのガイドラインと著作権法の観点から、
3つの注意点があります。

①JASRACかNexToneで管理されてるか調べる

まず1つ目は、
「配信の前に、歌いたい楽曲が、JASRACかNexToneで管理されてる楽曲かどうかを調べること」
です。

配信の前」というのがポイントです。
後ほどご説明しますが、
スタエフでは、権利関係をクリアにしてくれる「楽曲申請」という機能があって、
JASRACかNexToneで管理されてる楽曲が対象なんですね。

なので、配信後に、JASRACでもNexToneでも管理されてないことがわかってしまった場合、
楽曲申請ができないので、
最悪の場合、収録したものを削除する必要が生じてしまうからです。
だから、配信の前に確認することが大事なんですね。

下記のリンクから、自分の使う楽曲が管理されているか、調べてみてください。
JASRAC:http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/
NexTone:https://search.nex-tone.co.jp

もしどちらでも管理されていないようでしたら、
楽曲の権利を管理している窓口に、「スタエフ内で楽曲を歌っていいか」直接問い合わせるか、
楽曲の利用をやめておくのが無難です。

②配信後に楽曲申請する

2つ目は、
「配信の後に、楽曲申請をすること」
です。

この「楽曲申請」という機能のおかげで、
本来自分で直接許可を取る必要があるのを、
スタエフが代わりにやってくれるんですね。

やり方は簡単(iOS版)。
投稿した後に、該当する配信を表示します。
右上にある、四角い箱から上向きの矢印が飛び出てるマークのアイコンをタップします。
出てきた左下のアイコンを選ぶと楽曲申請のページに飛びます。
そちらから、申請をしてみてください。
LIVE配信の場合は、配信を終了した後に出てくる画面の右上から楽曲申請ができます。

また、LIVE配信の場合、アーカイブに残さない場合でも、
楽曲申請が必要ですので、お気をつけください。

③音源は使わない

3つ目は、
「CDやYouTubeやストリーミングサービスなどからの音源は使わないこと」
です。

つまり、自分で演奏したり、他人に演奏してもらって使用許可をもらったり、
PCやアプリなどでBGMを自作したり、アカペラで歌ったり、
するのがおすすめということですね。

時々、音源をバックで流して、それに合わせて歌っている方をお見かけしますが、
これは「楽曲申請」ではクリアにならないので、ご注意ください。

詳しいことはこちら↓の記事でも解説しているのですが、
著作権とは別の「著作隣接権」があるからです。

[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1997″]

著作隣接権は、JASRACなどが管理しているのではなく
レコード会社の団体などが管理しています。

もちろん、著作隣接権を持っているところから、
個別に利用の許諾を取ることができれば、
音源を使っても問題ありません。

ただ、スタエフの配信に際し、
その都度許諾をもらって、お金も払って、
音源を利用するのは、あまり現実的とは言えないですよね。

なので、音源は使わないことをおすすめいたします。

ここでいう音源には、歌の入っていない「カラオケ音源」も含まれます。
だいたいカラオケ音源の制作会社が、著作隣接権を持っています。

実際にあった事件で、
カラオケ店内でカラオケ音源を利用して歌っているシーンを、
動画で撮影してYouTubeに載せていた人が、
カラオケーメーカーから訴えられて、動画削除を命じられる事件がありました。
(東京地裁平成28年12月20日判決 平成28年(ワ)34083号著作隣接権侵害差止等請求事件)

クリックして086410_hanrei.pdfにアクセス

もちろん、そういった権利関係をクリアしたカラオケ音源を使うのであれば、大丈夫です。
その際は、その音源の権利を管理しているところの規約をご覧になって、
使える場合と使えない場合について、
よくお確かめの上、ご利用ください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。