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著作権

【ご質問】海外在住!カラオケアプリ使っての配信は楽曲申請だけでいい?

★ご質問

ちょっと質問に対する回答が長くなってしまったので、
2回に分けてお答えします。
今回は1つ目の質問です。

1. stand.fmで歌を投稿するときは楽曲申請をするようにガイドラインがあります。
これはカラオケアプリの音源を使った歌の投稿をする場合も楽曲申請さえすれば法的に問題ないでしょうか?
https://help.stand.fm/spp_faq-1 こちらにダメな例が紹介されています。

ダメな例
☓ CDやストリーミングサービス経由で曲を流す
☓ カラオケで歌っている様子を配信する

カラオケアプリは、あまりよろしくないと認識しています。

ちなみに、私はstar makerという海外のカラオケアプリを使っていますが、簡単にinstagramなど他のSNSにシェアできる仕組みになっています。日本のアプリか海外のアプリかで違いはありますでしょうか?

★結論

最初に結論から言いますと、
カラオケアプリの音源を使って投稿する場合は、
楽曲申請だけでは法的に問題がある可能性があります。

ご指摘の通り、
日本か海外のアプリかでも違いがありますし、
そもそもアプリごとに規約が異なります。
それから実はその人がどこに住んでいるかでも変わってくることがあります。

これらについて詳しく解説していきます。

★どこの国の法律が適用される?

まず非常に難しい問題として、
ご質問者さんがマレーシアにお住まいという点があります。

つまり、どこの法律が適用されるか?
という準拠法国際裁判管轄の問題があって、
日本なのか、マレーシアなのか、各権利者が所在する国なのか、
いろんな説があるんですね。

一応、ここでは日本の法律が適用される前提で、話を進めていきます。
なぜなら、スタエフとの争いが生じた場合は、
日本法が適用されると、利用規約に書いてあるからです。

ただ、事案によってはマレーシアかもしれないし、
他の国かもしれません。
あと、カラオケアプリが海外ということなので、
そのアプリの規約により適用される法律も変わります。

それだけ、海外が絡むと事情が複雑なので、
一言でこうと回答できないことだけは頭に置いていただければ幸いです。

★「著作権」とは別の「著作隣接権」に注意

まず、なぜ楽曲申請だけでは問題があるのかと言うと、
以前の記事でも詳しくご説明しましたが、
他人の作った音源を使う際には「著作権」とは別の
著作隣接権」という種類の権利が関わってくるからです。

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★「著作隣接権」の中の「原盤権」が問題

「著作権」は、作詞者や作曲者といった、著作物を作り出した人の権利ですね。
「著作隣接権」は、著作物を作り出したわけではないけど、
著作物を広めるために、創意工夫をしているから、
著作と隣り合わせの権利を保護しましょうということで、
隣接権という名前がついています。

具体的には「実演家の権利」や「レコード製作者の権利」などが含まれます。
「実演家の権利」は、楽曲を実演するアーティストの権利ですね。
「レコード製作者の権利」は、通称「原盤権」と言われるもので、
音源を制作したレコード会社の権利です。

カラオケ音源の場合は、
アーティストの声が含まれていないので、
「実演家の権利」は問題にならないかもしれませんが、
カラオケ音源を作った会社の「原盤権」が、
問題になってきます。
元の楽曲のCD音源の「原盤権」ではないんですね。

つまり、スタエフ内で、他人が作ったカラオケ音源を使って歌の投稿をする際には、
「著作権」だけでなく、「原盤権」をクリアにする必要があるということです。

★権利関係はクリアになる?

著作権」の方は、
楽曲申請ができればクリアできます。
スタエフがJASRACとNexToneと提携しているので、
これらの管理している楽曲は、簡単な申請でクリアできるようになっているんですね。
それ以外の曲は、個別に許可を得る必要があります。

そして「原盤権」の方は、
使うカラオケアプリの規約によります。

ご質問者さんは、star makerという海外のカラオケアプリを使っているそうなので、
star makerの利用規約を確認してください。
概要欄にリンクを貼っておきます。
https://apps.apple.com/jp/app/starmaker-sing-karaoke-songs/id342138881
https://m.starmakerstudios.com/setting/terms/index

こちらの利用規約ですが、海外のサービスということで、
英語で記載されています。
したがって、海外で生活されている、ご質問者さんの方が、
英語を読む力があると思うので、
ご自身で確認していただきたいところです。

が、利用規約って難しい言葉で書かれているので、
一応、私の方で読んでみたところを解説します。

★starmakerの利用規約

利用規約の2番目に、
「The Service」
という項目があります。

ここに、利用規約の中の言葉の定義と、
このサービスでできることが書いてあります。

特に(A)~(D)の箇所ですね。
ここに、ユーザーがアプリを使って「録音すること」
「録音したものをアプリ内に投稿すること」
「録音したものをInstagramなどのSNSにリンクすること」
などができますよと書いてあります。

だけど、録音したものを他のサイトで使っていいとは書いてないんですね。
リンクにより投稿をシェアすることと録音データを使うことは、全く別の話です。
つまり、録音したものをスタエフで配信するというのは、
starmakerでははっきりと許可していないのではないかと考えられます。

そして、利用規約の4番目には
「Intellectual Property Rights」
という知的財産に関する項目があります。

その中の3つ目の段落に、
「Limitations on Use and Modification」
つまり「利用および変更の制限」
というものがあります。

そして、「(i) use any aspect of any musical work or sound recording in a manner that is not expressly permitted by this EULA」
と書いてあります。
「EULA」というのは、ここではライセンス契約と利用規約のことを指しますが、
「(i)この規約ではっきりと許可されていない方法で、音楽作品や録音物のあらゆるものを使用すること」は、
許可するものではないとしているんですね。
そして、何かしら対抗する手段がない限り、適用される法律によって侵害とみなされることがありますよとされています。

要するに、starmakerで録音したものを、
スタエフなどに投稿するのは、許可されておらず
下手すると原盤権やそれに類する権利の侵害になるのではないかと考えられます。

もしかしたら、英語の読み方が間違っているかもしれませんが、
少なくとも私が読んだ限りは、このように解釈しました。

★まとめ

以上、まとめますと、
音源を使う際は、著作権とは別の著作隣接権があり、
その中の原盤権は、
スタエフの楽曲申請ではクリアにできません
音源の提供者に個別に許可をもらうか、
音源を配信するサイトやアプリの規約に従う必要があります。

この点、ご質問者さんがお使いになっている
starmakerは、どうやらスタエフで使うことは難しそう、
ということですね。

で、スタエフで使えるカラオケ音源サイトについては、
「カラオケ歌っちゃ王」というのがあるので、
そちらをご参照ください。

https://stand.fm/episodes/6100c8002c4b2c00066ddd6e

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。

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