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「教育サービス会社」ではなく「知財ビジネス」と考えると見えてくる
「公文式」が営業利益165億円を計上し、高い利益率を維持しているというニュースが話題になりました。
※参考記事:「「公文式」が営業利益165億円の“爆益ビジネス”に急成長 無駄のない「もうかる仕組み」がすごかった」(ITmedia ビジネスオンライン)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2607/09/news044.html
少子化が進み、学習塾業界全体では競争が激化する中で、なぜこれほど高い収益性を実現できるのでしょうか。
このニュースを見て改めて感じたのは、公文教育研究会は単なる教育サービス会社ではなく、「知的財産(IP)を活用したビジネス」を展開している企業だということです。
中小企業や個人事業主にとっても、大いに参考になる事例だと感じました。
公文が販売しているのは「プリント」ではない
公文式と聞くと、多くの方は教室で子どもたちがプリントを解いている光景を思い浮かべるでしょう。
しかし、本当に販売しているのは紙のプリントではありません。
販売しているのは、
- 長年研究・改良された教材システム
- 「公文式」というブランド
- 教室運営ノウハウ
といった知的財産です。
教材は一度作り上げれば、世界中の教室で利用できます。
教材開発には時間も費用もかかりますが、完成した後は利用者が増えても追加コストは比較的小さく済みます。
まさに知的財産ならではの特徴です。
ロイヤルティモデルが利益率を押し上げる
公文の教室は、多くが本部直営ではありません。
本部と契約した指導者が教室を運営し、本部は教材やブランド、運営ノウハウを提供しています。
つまり、本部が受け取るのは「教材代」というよりも、知的財産の利用対価であるロイヤルティです。
教室数や生徒数が増えるほど収益は拡大しますが、教室運営の固定費は各教室側が負担します。
その結果、
- 売上が伸びる
- 固定費は大きく増えない
- 利益率が高くなる
という構造が生まれます。
これはソフトウェア企業やライセンスビジネスにも共通するモデルです。
世界へ展開できるのも知財の強み
公文は現在、世界60以上の国・地域で展開しています。
もちろん国ごとに教材の翻訳や現地対応は必要ですが、一から教育システムを作り直す必要はありません。
完成した教材という知的財産を各国へ展開できるため、高い再現性があります。
知財は「一度作れば何度でも活用できる資産」であることを、公文は実証しています。
中小企業でも応用できる「知財経営」
「うちは公文のような大企業ではないから関係ない。」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、考え方は中小企業でも十分活用できます。
例えば、
- 独自の商品名を商標登録する
- オリジナルの商品デザインを意匠登録する
- 独自ノウハウをマニュアル化する
- 独自サービスをブランドとして育てる
これらはすべて「知的財産を資産化する」取り組みです。
価格競争に巻き込まれやすい商品でも、ブランドとして選ばれる存在になれば、利益率は大きく変わります。
商標はブランドを守る第一歩
特に中小企業にとって最も身近なのが商標です。
商標登録をしているから売れるわけではありません。
しかし、せっかく育てたブランド名を他人に先取りされてしまえば、大きな損失につながる可能性があります。
ブランドを安心して育てていくためには、「名前を守る」という土台が欠かせません。
実際、近年は中小企業や個人事業主による商標出願も増えており、商標は大企業だけのものではなくなっています。
「商品」ではなく「仕組み」を育てる発想を
公文の事例から学べる最大のポイントは、「商品を売る」のではなく、「仕組みを育てる」という考え方です。
商品は真似されることがあります。
しかし、
- ブランド
- 教材
- ノウハウ
- 運営システム
といった知的財産を組み合わせることで、他社との差別化が可能になります。
知財は単なる権利ではありません。
利益を生み続ける経営資産でもあります。
まとめ
公文教育研究会の高収益を支えているのは、「教育」そのものではなく、教材・ブランド・ノウハウという知的財産を活用したビジネスモデルです。
これは決して大企業だけの話ではありません。
中小企業や個人事業主でも、
- ブランドを育てる
- 商標で守る
- 独自ノウハウを資産化する
という積み重ねによって、「価格」ではなく「価値」で選ばれる会社を目指すことができます。
知財は、経営を守るためだけでなく、利益を生み出すための重要な経営資産です。
公文の事例は、そのことを改めて教えてくれる好例ではないでしょうか。
