今回取り上げるのは、こちらのニュース。
・「歌唱時間「3秒」!“あの曲”が前代未聞の快挙!究極のタイパカラオケ 人生の一大イベントも“タイパ”の時代?【Nスタ解説】」(TBS NEWS DIG)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2729453
「伯方塩業株式会社」が製造販売する「伯方の塩」のサウンドロゴが、カラオケで人気を集めているという記事が話題になっていました。
歌唱時間は、なんと約3秒。
あまりにも短いため「タイパが良い」として歌われる一方、高得点を出すのが意外と難しいことでも人気を集めているようです。
実際に聴いてみると、歌い始めたと思ったらすぐに終わってしまいます。
「3秒の曲」でも著作権の対象になる
このサウンドロゴは、単なるCMフレーズではなく、「楽曲」として扱われています。
実際にJASRACにも楽曲として登録されています。
https://www2.jasrac.or.jp/eJwid/main?trxID=F20101&WORKS_CD=26636034&subSessionID=001&subSession=start
そのため、著作権の包括契約が結ばれていないSNS(例えばXなど)に、「『伯方の塩』を歌ってみた」といった動画や音声を投稿した場合、著作権侵害となる可能性があります。
もちろん、実際に権利者から権利行使がされるかどうかは別問題ですが、法的には著作権の対象となる楽曲であることは押さえておきたいところです。
実は「音商標」としても登録されている
さらに興味深いのは、このサウンドロゴが「音商標」としても登録されていることです(登録第5871389, 5905512号)。
音商標は、メロディーや効果音など「音」そのものを商標として保護する制度です。
そのため、食塩などの指定商品について、「伯方の塩」と同一又は類似するサウンドロゴを営業上使用した場合には、商標権侵害となる可能性があります。
著作権と商標権は役割が違う
「著作権があるなら、商標登録まで必要なのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、著作権は創作物を保護する権利であるのに対し、商標権は商品やサービスの出所を示すブランドを保護する権利です。
同じサウンドであっても、それぞれ異なる目的で保護されるため、著作権と商標権が併存することは珍しくありません。
※参考:「著作権があるのに、音商標を登録する意味って?」
https://samuraitz.com/weblog/trademark/782/
この話から分かること
この事例は、たとえ3秒程度の短いフレーズであっても、知的財産権によって保護され得ることを示しています。
「短いから自由に使える」「CMの一節だから問題ない」と考えるのは早計です。
楽曲としての著作権と、ブランドとしての音商標という二つの権利が重なっているケースもあるため、企業のサウンドロゴやジングルを利用する際には注意が必要です。
わずか3秒のメロディーでも、知的財産の世界ではしっかりと権利で守られている――そんな身近な例として、「伯方の塩」のサウンドロゴは非常に興味深い事例といえるでしょう。
