使わないで!赤十字マーク

2016年12月1日
持続可能なブランドコミュニケーションをつくる

「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。

あるアイドルの衣装に含まれた「赤十字マーク」部分が、TV放映の際に消されたことがニュースになっています。
http://www.oricon.co.jp/article/59958/

「赤十字マーク」や、これに類似するマークは、法律で規制されていて、
原則、日本赤十字社以外は使用できないのですね。
一般の病院でも使用できないのです。

違反すると、
「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」
に処される可能性があります。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO159.html

もちろん、商標出願しても登録されません。

なぜそれほど重要なのか?
それは、ジュネーブ条約等で攻撃が禁止されている、命を守るマークだからです。
紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などに、
絶対に攻撃を加えてはならないことが、厳格に定められています。
公益性が極めて高いマークなのですね。
http://www.jrc.or.jp/about/mark/
http://www.jrc.or.jp/about/pdf/20150826_shittemasukamark.pdf

ちなみに、「類似するマーク」も使えないので、
白っぽい地に赤っぽい十字や、
傾いていたり、丸みを帯びていたり、長さを変えていたり、
してもNGなのです。

「白地に赤十字」のほか、
「白地に赤新月(イスラム教国で使用)」「白地に赤のライオン&太陽(革命前のイランで使用)」なども、
規制の対象です。

図形のマークだけでなく、「赤十字」といった文字も使用できません。
何かデザインに携わる方は、ぜひ覚えておかれるといいですね。