持続可能なブランドコミュニケーションをつくる
「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。
昨日の記事の続きです。
デザインの権利(意匠権)は登録から20年で消滅しますが、
権利が切れてもそのデザインが使えないこともあるのです。
例えば、著作権。
「TRIPP TRAPP」という子供用の椅子が、著作物として認められたことがあります。
https://goo.gl/fOKuRR
これまでは、椅子のように実用的なデザインに著作権はない、とされることがほとんどでした。
1点ものの絵画とかオブジェみたいな、いわゆる美術工芸品が著作物で、
工業的に量産される応用美術品は創作性がない=著作物ではない、
みたいな固定的な考え方があったのです。
しかし、「TRIPP TRAPP」の事件では、
作成者の何らかの個性が発揮されていれば、創作性を認めるべき→著作物と認める
との判断が出たのですね。
したがって、意匠権が切れた後でも、
椅子に著作物性が認められれば、
作者の死後50年後までは、無断でその椅子と同じような椅子を作る(複製する)ことができない、
ということがあり得るのですね。
ただ、独自にしたデザインについては、
著作権は及びませんから、真似しなきゃいいのです。
「たまたま似てた」のは、著作権では大丈夫。
しかし、それでも問題はゼロにならないのです。
続きはまたいつか。