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今回ご質問いただきましたので、お答えします。
朗読するときや本の紹介をするときに、
その本の表紙を撮影してネットにアップするのは
大丈夫なのでしょうか?
といったご質問です。
まず前提ですが、
本の表紙のデザインにも、著作権がある場合とない場合があります。
著作権のあるなしは客観的には分かりづらいですが、
著作権がなければ、撮影した画像をサムネとかでネットに上げるのは全く問題はありません。
著作権があれば、ネットに投稿すると、
法律上は著作権侵害に該当する場合があります。
具体的には、複製権と公衆送信権ですね。
したがって、本の表紙に著作権がある場合は、
著作権者(おそらく出版社)から許諾をもらう必要があるというのが、
教科書的な答えになります。
そして、出版社の中には、
あらかじめ表紙の画像の使用を許可しているところがあります。
例えば「岩波書店」なんかそうですね。
と記載してあります。
(https://www.iwanami.co.jp/files/rights/01.pdf より引用)
いくら許諾が必要といっても、
出版社としてもいちいち許諾の申し出に対応していたら大変ですから。
なので、投稿する前に出版元のHPなどで調べておくといいと思います。
とはいえ、実際には、本の表紙を撮って載せただけでやめてくれと言われることは、
ほぼほぼ考えにくいです。
よほど悪意のある投稿とか、事実と違う内容に基づいて使われてるとか、
名誉毀損に該当するとか、
もはや著作権とは別の次元で使うなと言われることはあるかもしれません。
なので、相手に不利益になるようなことはしないという、道徳的な基準で、
自己判断でネットに載せるかどうかお考えいただければと思います。
ちなみに、私も本の表紙の写真を撮ってネットに投稿したことはあります。
「お前もやってるんかーい!」と、
ツッコミを入れられそうですが、
法律はきちんと押さえた上で、あとは自分で程よいバランスを考えるということですね。
例えば、紹介した本の売上が上がれば、WIN-WINなわけですから、
形式的には表紙を載せるのが著作権侵害に該当するとしても、
相手から咎められることは考えにくいですよね。
かといって、本の内容を全部しゃべっちゃったら、
本が売れなくなってしまいます。
これはWIN-LOSEで権利を持ってる方が負けるゲームなので、
それは著作権侵害を責められても文句は言えません。
これが程よいバランスということになります。
そしてもし権利者から「無断で使わないで」と言われたら、
それは抵抗せずに、大人しく従えばいいということですね。
それから、著作権法上の「引用」に該当すれば、
本の表紙に著作権があっても、画像を撮って載せることは問題ありません。
なので、私も「引用」を意識した投稿をたまにしています。
例えば、先日の「液体のり」の投稿もそうですね。
ちなみに、私の配信や投稿に触れている人の中には、
他の人の投稿を見て、
「これって著作権侵害じゃないの?そんなことやっていいの?」と、
もやもやされる方もいらっしゃるかと思います。
これについては、また別の機会にお話しいたします。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。