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★質問
以前は「朗読してください」と言っていたが、
新しい作品は、はっきりと「朗読してください」と言っていない。
それなのに、朗読している人がいる。
この場合どうなるの?
★回答
当然、前回説明した「引用」の要件に当てはまれば、
作者に許可なく朗読することはできます。
「引用」の要件に当てはまらなければ、
作者の許可が必要です。
例えば、ショートストーリーということで、
全文読みがちですが、
流石に全文読むのは、「引用」の要件に当てはまらないので、
作者の許可がないとダメですよね。
一方、「引用」に該当する形で読むなら、
著作権者ですら、それに対して文句言うことはできません。
なぜなら著作権法で認められているからです。
法律で認められていることに対しては、
権利が及ばないんですね。
★トラブルを避けるために
で、ここからが重要なのですが、
権利者としてはトラブルを避けるために、
作品の取り扱いについて、
はっきりとわかるように外部に示すことが大切だと思います。
過去はOKだったのに、
今回のはNGというのであれば、
そのことをわかるように示さないと、
「あれ?何も書いてないけど、今回も読んでいいのかな?」
と勝手に自分で解釈してしまうからです。
ある意味権利者としての責任とも言えますが、
自分を守るためにも、ファンを守るためにも、
わかりやすく線を引くことが、
気持ちのいいコミュニケーションを築く上で重要だと言えます。
なのでできるだけ、
作品ごとに、「今回のは朗読していいですよ」とか
「今回のはお控えください」とか、
「こういうふうに扱うのはOK」「こういうのはNG」と示していくことをおすすめします。
完全に趣味なら、そもそもどう扱われても構わないと思いますが、
何かしらKindleにするとか、有料で販売するとか、
考えているなら、それも立派な事業、ビジネスですよね。
事業者側が、ちゃんと説明しないと、
あなたも文句の1つや2つ言いたくなるでしょう?
それと同じように、面倒臭いなと思うかもしれませんが、
権利の取り扱いについて具体的に示すことが、
WIN-WIN、平和に導くと思います。
ぜひ、この点に気をつけてみてください。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。