ウェブサイトをスクショしてSNSに上げていいの?(後編)

ウェブサイトをスクショしてSNSに上げていいの?(後編)

2021年6月10日

こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。
https://stand.fm/episodes/601a298f8ba7e184421f3a6c

★結論

前回は、ウェブサイトのスクショ(ダウンロード)行為について、
どういうケースなら問題ないのか、というお話をさせていただきました。
結論として、適法にアップされたものや、違法と知らなかったものなどは、
問題なくスクショできますということでしたね。

前回の配信をお聞きでない方は、
まずはそちらの方を聴いていただければ、内容の理解が深まるかと思います↓
https://stand.fm/episodes/60190fa98ba7e16d0a1f21ba

今回は後編として、
スクショしたものをネット上に上げる(アップロード)行為について、
こういうやり方ならOKというお話をします。

結論から言いますと、
「引用」「報道」「規約でOK」
の場合は、利用することができます。

★引用に当たる場合

著作権法でいう「引用」に当たれば、
スクショをブログやSNSなどに上げることができます。

もちろん、前回説明したような、
6つのパターンのスクショであることが前提です。

では具体的にどうすれば権利に引っかからない「引用」になるのか、
について説明いたします。

①引用部分とその他の部分を区別できる

まず、引用してきたスクショの部分と、
自分のコンテンツの部分の境界が、
はっきり区別できるようにすることです。

文章を引用するときは、
例えばカギカッコでくくったり、
引用符で囲ったり、
HTMLのタグの<blockquote>を用いたりしますよね。

スクショの画像を引用するときも、
四角い枠の中に納めるとか、縁を囲むとか、
色々工夫はできると思います。

HTMLでは「<figure>と<figurecaption>を使用した方法」
があるそうです。
これは私が発見したのではなく、
「TK-CREATE」というサイトから引用させていただきました。
※参照:「文章・画像を引用する時のHTMLの書き方|SEO基礎」
https://tk-create.com/seo/blockquote-q/

そこまで神経質になる必要はないので、
明らかに引用部分だなとわかるようにすれば、
トラブルには発展しないでしょう。

②引用部分がサブで、自分のコンテンツ部分がメイン

あくまでも、自分のコンテンツの説明のために、
スクショした画像を部分的に使うということです。
例えば、スクショした画像だけをTwitterで投稿するのは、
自分のコンテンツがないのでNGになります。
あと、本文となんの脈絡もなく画像を使うのもNGですね。

③出典を表示する

これは、サイト名(アプリ名)とURLを表示すれば大丈夫です。
HTMLのタグでは<cite>というものがありますので、
こちらを利用して引用元を示すのも効果的です。

④勝手に表現を変えない

これは、必要と認められる範囲なら問題ないのではないかと思います。
例えば、何かウェブサイトの使い方を説明するときに、
ここの項目を選択して下さいと、視覚的にわかるように、
スクショした操作画面の上に、矢印とか丸で囲ったりとかしますよね。
ああいうのは問題ないと考えて大丈夫です。

★時事の事件を報道する場合

個人が情報発信する時代になったため、
個人がニュースや事件を報じることも増えてきましたよね。

そういう時に、事件に深く関わっている著作物や、
事件のプロセスにおいて見られる著作物を、
スクショして載せるなんてケースも考えられます。
こういう場合も認められることがあります。

ただし、報道の目的上、正当な範囲内で利用することが必要ですし、
どこから画像を持ってきたのか、クレジット表記することも必要です。

それから、何が事件なのか、どこまでが報道として正当な範囲なのか、
線引きが曖昧な部分もあるので、拡大解釈ややりすぎは注意です。

★規約でOKの場合もあり

ウェブサイト側としても、ユーザーに毎回利用許諾をするのも大変ですからね。
規約に「こういうふうに利用していいですよ」と書いてあることが多いです。
例えば、PlayStation®︎4のユーザーズガイドを見ると、
スクショをネット上にアップロードできることが書かれています。
https://manuals.playstation.net/document/jp/ps4/share/screenshot.html
規約が変更にならない限りは、
1度確認すれば安心して使うことができるので、チェックをおすすめします。

ただ逆に規約でNGのこともあります。
この場合、仮に法的にはOKでも、
規約に応じてペナルティを受けることがあるので、ご注意下さい。

★おすすめはサイトの機能を使ったシェア

スクショを使わずに済むなら、それに越したことはありません。
規約の話にも通じますが、
サイト側としても、シェアの機能を用意したのは、
適切な利用ならどんどんして下さいというメッセージです。
なので、例えばサイトへの埋め込みの機能とか、
シェアのボタンとか、
サイトが用意したものを使いこなして、
ご自身の発信に役立てていただければと思います。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。