他人が作ったBGMや効果音、楽曲を音声配信で使っていい?

他人が作ったBGMや効果音、楽曲を音声配信で使っていい?

2021年5月18日

https://stand.fm/episodes/600b935eecbf192f4e285bfd

★音楽が人に与える効果

音声配信において、BGMや効果音などを使って、自分の配信をより聞きやすくする工夫をされている方は多いと思います。
実際に音楽には、人の感情に訴えかけることで、集中力を高め、ストレスを低下させ、幸福感を感じさせる効果があることが、
さまざまな論文で科学的に証明されています。
医療の世界でも音楽療法として音楽が使われています。
したがって、人に物事を伝える情報発信の世界でも、積極的に効果的に使っていきたいですよね。

ただ「音」についても、もちろん創作した人に著作権が発生しています🎼
つまり、他人が作ったBGMや効果音、楽曲を勝手に音声配信内で使うことは、
著作権の侵害になってしまう恐れがあります。

★BGMでの利用

例えば、好きなゲーム音楽を勝手にBGMに利用して、自分の番組で流すと、
著作権の中の複製権、公衆送信権侵害に当たる可能性があります。

また、自宅でLIVE配信してる時に、お気に入りのアーティストの曲を後ろで流していると、
これも複製権、公衆送信権においてグレーなところです。

★偶然音が入り込んできた場合

ただ、外とかお店の中で自分のLIVE配信をしていて、
偶然外から音楽が入り込んでしまった場合は、
流石にリアルタイムで音の処理はできないので、
それが軽微な程度であれば、問題ありません。
もっとも、その流れてくる音楽を紹介したりとか、一緒に歌ったりとかはまずいかもしれません。

★演奏する場合

それから、お気に入りの楽曲を自分で演奏してみた!とか歌ってみた!というやつですね。
これも、無断でやると演奏権の侵害になる可能性があります。
では鼻歌はどうでしょうか?
鼻歌ぐらいならいいんじゃない?と思うかもしれませんが、
これも他人に聞かせる目的だと、やはり権利の問題があるかなと思います。
一方、何か作業中の様子を配信していて、偶然出ちゃったような場合は、おそらく問題ないでしょう。

★音声プラットフォーム内で、権利の処理ができるかも

ここまで説明して、「もうフリー素材以外の音楽使えないじゃん」と思ってしまうかもしれませんが、
安心してください。
音声プラットフォームの中には、音楽の著作権を管理する企業と提携して、
配信者が音楽を利用しやすくしているところがあります。

各プラットフォームの規約を読んだり、よくある質問を確認したり、
運営会社に問い合わせたりしてみるとよいでしょう。

★stand.fmでの楽曲申請の仕方

ちなみに、stand.fmでは、著作権管理団体のJASRACとNexToneが管理する楽曲については、
楽曲のカバー、演奏、歌詞の朗読をすることができます。
投稿した後に、該当するコンテンツの画面を開いて、
右下の点が3つ並んだところをタップすると、
再生速度を変えられるボタンの横に、「楽曲申請」のページに飛べるボタンがあります。
そちらから、申請をしてみてください。
LIVE配信の場合は、配信を終了した後に出てくる画面の右上から「楽曲申請」ができます。

ただし、注意点が3つあります。
①JASRACとNexToneが管理していない楽曲については対象外であることです。
この場合は、その楽曲を管理している団体や、制作した人に問い合わせることが必要です。
②CDや音楽ストリーミングサービス(SpotifyとかApple Music)からの音源を利用して楽曲を流すのは、認められていないことです。
stand.fmによると、この場合は事前の通知なく削除される可能性があります。
③カラオケで歌っている様子を配信することも、認められません。
こちらも、事前通知なしで削除される可能性があります。

以上、他人が作ったBGMや効果音、楽曲を使うときは、
なるべくフリー素材のものを使うか、
そうでない場合は、プラットフォームの案内にしたがって、
適切に利用するようにしましょう。

ちなみに、私が今日2021年1月23日現在で使っているのは、
「静寂に煌めく」/作(編)曲 : shimtone
作曲者プレイリスト – https://www.youtube.com/playlist?list=PL2vyqKNLXiUo32D_Phlyau1n1bXuLEdnD

いい曲をたくさん作られているので、よろしければチェックされてみてください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。