ブランドは、品質管理に始まり、品質管理に終わる

ブランドは、品質管理に始まり、品質管理に終わる

2017年9月12日

「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。

先週、私が所属する「日本商標協会」のイベントで、
浜松にある春華堂の「うなぎパイ」の工場見学に行ってきました。

「うなぎパイ」と言えば、会社や家庭でお土産品として愛されている定番のお菓子ですね。
浜松の名物である「うなぎ」を用いた、とてもユニークな商品です。

工場の方のお話を聞いて、
「うなぎパイ」の製造工程がこんなに手間暇かかっているのか!
と感動しました。

あの美味しさの秘密は、「手作り」にあります。
生地は人の手でこねて、24時間寝かせます。
そして湿度と気温に合わせて、生地のこね具合や焼き方を変えているのです。
パイの表面に塗るタレは秘伝で、社内でも5人しかレシピを知りません。
隠し味にガーリックを用いているそうです。
こうして、あの独特の風味と品質が保たれているのですね。

社員の方から、
「私たちは箱を開けた時の感動を売っているのです」
との説明もありましたが、
感動したのはそれだけではありませんでした。

なんと、工場見学の際に、オフィス付近を歩いていたら、
スタッフの方全員が立って、丁寧にご挨拶くださったのです!
この姿勢にはしびれました。
お仕事中になんだか申し訳ない気持ちにもなりました笑

こういった、ひとつひとつの要素が、
「うなぎパイ」ブランドを構成しているのだなあと思いました。
商標を扱っていると、ついつい「商標」と「ブランド」をイコールで言葉を使いがちですが、
それはとんでもなく狭い捉え方ですね。

とは言え、「商標」もブランドの構成要素の一つであり、
商標の管理は、品質管理の重要な一要素でもあります。
「うなぎパイ」の商標は、商品の特性を単に示したに過ぎない文字構成ゆえに、
商標の審査で、一旦拒絶されました。
そこで、過去の膨大な使用の証拠を集めて、
いかに商標「うなぎパイ」が一定の出所(春華堂)を示しているかを証明し、
なんとか登録になったという経緯があります。

商標を使用し管理してきた証拠がなければ、登録は受けられず、
「うなぎパイ」を称する類似のお菓子がいろんなところから出て、
競争優位性を失っていたことでしょう。

春華堂の品質管理あってこその「うなぎパイ」ブランドであり、
その締めくくりが、品質管理としての「商標管理」なんだなと感じました。