持続可能なブランドコミュニケーションをつくる
「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。
オーディオ機器の「aiwa(アイワ)」ブランドが復活するそうです。
http://www.zakzak.co.jp/eco/news/170622/eco1706220004-n1.html
(ちょっと失礼かもしれませんが)かつては「『SONY』がほしいけど、手が出ないから『aiwa』にしよう」と思って、「aiwa」製品を手にされた方も多いかもしれません(私の実家にもaiwaのコンポがありました)。
「aiwa」は2002年にソニーの1ブランドになりましたが、2008年で終了してしまいました。それが今回、9年ぶりに「aiwa」ブランドのオーディオ機器が発売されるそうです。
新しい発売元が、高周波&通信機器や電源機器、映像機器などを製造販売してきた「十和田オーディオ株式会社(http://www.towada-gp.com/audio/)」です。
記事によれば、十和田オーディオは、2月にソニーから「aiwa」商標を取得して新会社を設立したそうです。
そこで商標の情報を調べてみると、オーディオ機器に関係する第9類を指定した、登録第2558031号は、平成29年5月23日に、「譲渡による商標権移転登録申請書」が提出されています。これは、商標権を他者に譲渡する際に、必ず必要となる手続で、この申請が通ると、譲受人に商標権が移転します。
現在はまだ記載されていませんが、申請が通って移転が登録されると、晴れて商標権が移転するわけです。
こんな風に、ブランドが終了してもいつどのような形で復活するかわからない観点から、商標権を残しておくことも一つの案です。「aiwa」は特に、アジアで人気のブランドでしたし、日本でも愛用者はたくさんいたと思います。いったんブランドが終了したとはいえ、ブランドの知名度や信頼は失われておらず、「aiwa」の商標そのものには、高い価値があったわけですね。
もしブランド終了に伴って商標権を放棄する場合は、他者が同じ又は似ている商標を使用したり、出願して登録を受けたりする可能性がある点に、十分ご注意いただきたいと思います(「aiwa」の場合は著名なので、他者が使用や登録できない可能性がありましたが)。