お菓子の形状も知的財産

お菓子の形状も知的財産

2017年6月22日

持続可能なブランドコミュニケーションをつくる
「サムライツ」の弁理士、保屋野です。

アイスの形状も、実は知的財産。
新規な形態であれば、デザインの特許(意匠登録)をすることができるって、知ってましたか?

「センタン」ブランド(林一二株式会社)から発売されているこちらの「クランチシュガーコーン」は、名称が商標登録(登録第5732108号)されている上に、形状も意匠登録(登録第1524323号、1524332号、1526345号)されています。

上端の尖ったアイス部分からコーン部分の上部まで、チョコレートで覆われていて、他のコーン付きアイスにはない特徴を有しています。

アイスの形状を見た時に、「おいしそう!」「買ってみたい!」という感情に訴求できれば、マーケティング上、競合他社との優位性がはたらきます。

しかし、このユニークな形状を一切権利保護しないとすればどうでしょうか?
似ている形状のものが他者から発売されたとしても、せいぜい不正競争防止法の「商品形態模倣行為」を訴えて、発売を差し止めるよう主張するしかありません。「商品形態模倣行為」は、国内での最初の販売から3年を経過したら差し止めできませんし、たまたま似ているくらいでは模倣とは認められず、相手方がこちらの商品に(依拠して)似せていることを証明しなければなりません。

この点、意匠登録をしておけば、年金を払い続ければ登録から20年間も権利存続しますし、たまたま似ているようなものも侵害として販売を差し止めることができます。要するに、特徴的な形状による競合優位性を保つことができるのですね。

お菓子を購入する動機は、味やブランド等、いろいろあるかと思いますが、「形状」もその一つに入ります。

新開発したお菓子が、「この形は消費者にウケそうだ」「ユニークな形状で過去にはない新規なものだ」ということでしたら、「意匠登録出願」を検討されるのもよいかと思います。

では、小腹がすいたので、「クランチシュガーコーン」を食べるとします…(今日の記事のために買いました(笑))