10月から個人輸入の場合も商標権侵害の対象に

10月から個人輸入の場合も商標権侵害の対象に

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突然ですが、みなさんは税関はお好きですか?
私は税関が結構好きで、
何度か東京税関と横浜税関に見学にも行きましたし、
仕事で訪れたこともあります。
ちなみに、毎年11月28日は税関記念日に制定されているので、
各地の税関でイベントが行われるんじゃないかなと思います。

今日はそんな税関に関係するお話をします。

現在のところ、
日本で商標登録されているブランドの模倣品や偽物を、
海外から輸入するケースで、
国内の(個人事業主も含む)事業者が輸入した場合は、
商標権侵害になっています。

一方、事業者ではない一般の個人が輸入した場合は、
商標権侵害になっていないので、
税関の取り締まり対象から外れて、
普通に国内に入ってきてしまっているんですね。

しかしそれだと、
模倣品が日本国内に入ってきてしまいます。
しかも、現在はメルカリのようなCtoCの
個人間で売買できるフリマアプリも充実しているため、
模倣品が流通してしまうということが起こっているんですね。
ビジネス目的じゃないよー、個人使用目的だよーって言えば、
権利侵害を免れていたので、
法の抜け道みたいにもなっていました。

そして先日のニュースによると、
どうやら日本人は偽物のブランドでも好んで所有する人が結構いるらしく、
偽物とわかって購入する人が一定数いるようです。

そこで、こういう事態を防ごうとして、
昨年の法改正で、取り締まりの対象が広がり、
今年の10月1日から
個人輸入の場合も、商標権侵害に該当することになり、
税関の取り締まり対象となることになりました。

具体的に言うと、海外の事業者から、
郵送等で模倣品が持ち込まれた場合は、
輸入した人が事業者か個人かを問わず、
差し止められてしまう
輸入できないと言うことですね。

ただ、個人事業としての輸入でなければ、
輸入した個人が罰せられることはありません
あくまで輸入品が税関で通行止めを食らうということですね。

ちなみに旅行者が、海外から帰ってくる時に、
模倣品を携帯して入国しようとしたらどうなるかというと、
これは従来通り任意で放棄ということになっています。

いずれにしても、
偽物、模倣品の個人輸入は規制の対象になりますので、
海外の変なサイトや変な人から購入するのは、
お控えいただければと思います。

買うならちゃんとした正規取扱店とか、
せめて大手ECサイトで買うようにしてください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。