・「人を動かす」(D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳))
https://amzn.to/3Sxe6tA
1936年の初版以来、世界中で読み継がれてきた人間関係の名著です。その普遍的な原則は、現代のビジネスや日常生活にも深く根ざしています。
本書の概要
本書は、人間関係を円滑にし、他者との信頼関係を築くための30(+7)の原則を紹介しています。これらの原則は、以下の4つ(+1つ)のカテゴリーに分類されています:
- 人を動かす三原則:批判せず、誠実な評価を与え、相手の立場に立つことの重要性を説いています。
①盗人にも五分の理を認める…批判も非難もしない。苦情も言わない
②重要感を持たせる…率直で、誠実な評価を与える
③人の立場に身を置く…強い欲求を起こさせる - 人に好かれる六原則:誠実な関心を持ち、笑顔を忘れず、相手の名前を覚えるなど、良好な人間関係を築くための基本的な方法を示しています。
①誠実な関心を寄せる…人のために自分の時間と労力を捧げ、思慮のある没我的な努力を行う
②笑顔を忘れない…幸福でたまらないように振る舞う
③名前を覚える…名前は当人にとって最も大切な響きを持つ言葉
④聞き手に回る…相手自身の事や、得意にしていることを話させるように仕向ける
⑤関心のありかを見抜く…相手が最も深い関心を持っている問題を話題にする
⑥心から褒める…誠意を込めて、重要感を与える - 人を説得する十二原則:議論を避け、相手の誤りを指摘せず、自分の過ちを認めるなど、効果的な説得の技術を解説しています。
①議論を避ける…意見の不一致を歓迎する
②誤りを指摘しない…相手の意見に敬意を払う
③誤りを認める…負けるが勝ち
④穏やかに話す…優しい親切なやり方は、激しい力づくのやり方よりはるかに効果がある
⑤イエスと答えられる問題を選ぶ…人と話をする時、意見が一致している問題から始め、それを絶えず強調しながら話を進める
⑥しゃべらせる…相手の事は相手が1番よく知っている
⑦思いつかせる…暗示を与えて、結論を相手に出させる
⑧人の身になる…どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうかと考えてみる
⑨同情を持つ…不幸な自分に対して自己憐憫を感じたい気持ちは誰にでもある
⑩美しい心情に呼びかける…人間は誰でも理想主義的な傾向を持ち、自分の行為については、美しく潤色された理由をつけたがる
⑪演出を考える…真実に動きを与え、興味を添えて演出する
⑫対抗意識を刺激する…優位を占めたい欲求、重要感を持ちたい願望を刺激する - 人を変える九原則:まず褒める、遠回しに注意を与える、自分の過ちを話すなど、他者の行動や考え方を変えるためのアプローチを紹介しています。
①まず褒める…褒められた後では、苦言もたいして苦く感じない
②遠回しに注意を与える…直接批判されることに強く反発する神経質な人たちには、驚くほど効果がある。
③自分の過ちを話す…まず自分の誤りを話した後、相手に注意する
④命令をしない…命令をせず、意見を求める
⑤顔を潰さない…相手の顔を立てる
⑥わずかなことでも褒める…惜しみなく心から褒める
⑦期待をかける…自分について良い評価が与えられた以上、その評価に従わないように努めるのは人情
⑧激励する…大いに元気付けてやりさえすれば、容易にやれると思い込ませ、能力に自信を持たせる
⑨喜んで協力させる…人にものを頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話す - 幸福な家庭をつくる七原則(付録):口やかましくいったり、あら探ししたりせず、相手の長所を認めたり褒めたりすることで、家庭を円満に保つコツを紹介しています。
①口やかましく言わない
②長所を認める
③あら探しをしない
④褒める
⑤ささやかな心づくしを怠らない
⑥礼儀を守る
⑦正しい性の知識を持つ
これらの原則は、相手を尊重し、共感を持って接することで、信頼関係を築き、他者を動かす力を養うことを目的としています。
活用のポイントとしては、ストーリーと原則をセットで覚えると頭に入りやすいですし、後で思い出して日常に生かしやすいと思います。
感想
『人を動かす』は、単なるコミュニケーション技術の指南書ではなく、人間関係の本質に迫る一冊です。相手を変えようとする前に、自分自身の態度や行動を見直すことの大切さを教えてくれます。
確かに最新の科学から見ると正しいとは言い切れない部分もありますし、1936年という時代背景も考慮する必要はあるかもしれません。とはいえ、相手の立場に立って考えることや、誠実な関心を持つことの重要性は、現代社会においても変わらぬ価値を持っています。
ビジネスシーンだけでなく、家庭や友人関係など、あらゆる人間関係において役立つ知恵が詰まっています。人との関わり方に悩んでいる方や、より良い人間関係を築きたいと考えている方、特に経営者・マネジメント層の方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
購入はこちらから↓
https://amzn.to/3Sxe6tA
※サムネ画像は「Amazon.co.jp」の商品ページから引用