・「マンガーの投資術」(デビッド・クラーク (著), 石川 由美子 (翻訳), 林 康史 (監修))
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投資家・経営者・ビジネスパーソンとしての根幹を鍛える、珠玉の名言集でもあり思考ツールでもある一冊です。
本書の内容
本書では、故チャーリー・マンガー(バークシャー・ハザウェイ副会長で、ウォーレン・バフェットの長年のパートナー)による「富の追求」「ビジネス」「処世」に関する言葉が、テーマ別に整理・解説されています。
- PART1「投資で成功する考え方」では、安直な儲けを追う危険さ、自分が何を知らないかを知る価値、売り買いを繰り返すより座して待つことの重要性、勝ち目があるときにだけ行動する大切さなど、マンガー流の投資マインドが鋭く語られています。
- PART2「企業、銀行、経済」では、大恐慌や銀行規制、資産効果やインフレなどの視点から、制度や構造を読み解くマンガーの深い洞察が記されています。
- PART3「事業と投資に関する哲学」では、バイ・アンド・ホールドが賢い方法であること、偉大な会社でも汚物のような会社を買収すると足を引っ張ることになること、適正な価格で売られている偉大な会社を狙うこと、暴落時でも冷静に対処できるようにしておくこと、経営者より事業の質に賭けること、レバレッジで破滅しないようにすること、過剰な流動性の負の側面など、長年の経験から導かれた哲学が記されています。
- PART4「人生、教育、幸福の追求についての助言」では、着実に一歩ずつ進む、心理・経済・科学技術・歴史など幅広い知識を使いこなす、何を知らないかを知る、自分の愚かさを知る、特定分野に専門化する、浪費しない、古いアイデアを捨てる、情熱を注げる仕事に取り組む、極端なイデオロギーを持たない、信頼できる人とだけ付き合う、助けを必要とする人を助ける、羨望と嫉妬の怖さを知る、読書する、同時に複数のことをしない、といった人生全般に通じる示唆が散りばめられています。
読んで感じたこと
バフェットに関する本や記事はたくさん出ていますが、その長年のパートナーでバークシャー・ハザウェイNo.2のマンガーに関する本は初めて読みました。
投資で莫大な資産を築いてきた経験から導かれる珠玉の言葉は、どれも投資マインドを育てるのに欠かせない金言ばかりでした。特に、「そこそこの会社を割安な価格で買おうとするのではなく、すばらしい会社を適正な価格で買いなさい」という考え方は、長期投資において大切な教えだと思います。
また、弁護士でもあったマンガーの自制的で慎ましい在り方は、投資に限らず人生のあらゆるリスクを最小限にする上で必要な視点ばかりでした。そして、学び続ける態度と忍耐こそが、人生を豊かにする上で大事なことだと感じました。
投資の文脈を超えて「事業・人生としてどう選び、どう生きるか」という視点にまで広がったことで、「投資本」としてだけでなく「思考本」「生き方本」としても価値がある一冊です。
こんな方におすすめ
- 投資の入口を探している人、または投資を思考の一手段として捉え直したい人
- 自分の専門・業界に閉じこもらず、広く深く思考したい人
- 長期志向・本質志向でビジネスや人生を設計したい人
- 資産だけでなく、知見・マインド・思考の“資本”を築きたいと思っている人
この本は、数字の話だけにとどまらず、「どう考え、どう選び、どう行動し続けるか」という問いに向き合わせてくれます。思考の深さを求めるなら、手元に置きたい一冊です。
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