※2023年2月14日配信メルマガVol.215より抜粋(一部加筆修正あり)
理系中心で構成される「サイゼリヤ」
前回は、サイゼリヤでバイトしながら、
生産性向上について学び、
自らオーナーを務める星付きのイタリアンレストランを改革した
村山太一さんの事例をご紹介しました↓
今回はその「生産性向上」のお手本となったサイゼリヤを取り上げていきます。
サイゼリヤの創業者は理系の方で、役員もほぼ理系。
新卒採用も理系の学生を積極的に採用しており、
本社にはエンジニアリング部という部署まであるそうです。
そこでは業務改善だけをひたすらにやっていくんですね。
科学的問題解決を行う「サイゼリヤ」
エンジニアリング部というだけあって、問題解決の仕方は科学的。
例えば、業務用の厨房では、油脂や残飯、野菜くずなどが下水に流れるのを防ぐ
グリストラップという装置を設置します。
この装置の掃除は大変で、普通の店では週3回3時間くらいかかるそうなのですが、
サイゼリヤは週1回、9分でできるような掃除の仕方をしています。
それにとどまらず、掃除をしなくてもいいグリストラップまで開発してしまったんですね。
また、掃除用具として掃除機を見た時に、「果たして必要なのか?」と疑問を持ちました。
検討の結果、「目的は床を綺麗にすることなんだから、掃除機じゃなくてもいいんじゃない?」となり、
通路のサイズに合わせたモップに切り替えたのです。
すると、1店舗の清掃時間が、1時間からなんと半分の30分になったそうです。
それが1000店舗となれば、30分×365日で1億円以上のコスト削減になります。
他にも、厨房では包丁を使わず、食材はあらかじめ切られているのだとか。
サラダにカット済み野菜を使うと、水分が抜けて美味しく無くなるのでは?
と思ってしまいますよね。
でも、水の温度が4℃の時に、水の比重が約1.0と密度が最大になるので、
収穫から加工、配送、搬入まで摂氏4度に保つことで、
カット野菜でも新鮮さを保つことができるのです。
さらに「サイゼリヤ用のトマト」がすごい。
世界中から数百種類の種を集めて分析し、
サイゼリヤのためだけに開発されたもので、
切っても水分がこぼれ出ないのです。
これにより、水分を含んだトマトをいただくことができるんですね。
細かい改善よりも「根本的な改善」に取り組む
細かい改善というのは、わりとどの会社でも取り組んでいると思うのですが、
「これ本当にいるの?」「なくしたり他のものに置き換えるにはどうしたらいい?」
と根本から見直して、効果的に改善に取り組む点が科学的ですよね。
こうした根本的な改善を行うには、
課題と目的を確認した上で、
手順を1つ1つ見える化していって、
結果の障害となる箇所を特定することが大切です。
先ほどの掃除機の例で言えば、
「開店前の掃除にムダとムラが多い」という課題から、
「掃除の目的は床を綺麗にすること」という目的を確認し、
中でも「掃除機をかける」手順にもっとも時間がかかっていることを特定し、
「掃除機の役割は床のゴミを吸引して掃除機内に移動させること」だから、
別に掃除機じゃなくても、モップやほうきでも事足りる、と考えたのですね。
今の時代なら、ルンバなどのロボット掃除機でもいいかもしれません。
「売上」を作るのは「営業」ですが、
「利益」は「開発」「調達」「生産」「物流」「サービス」等が
生産性を上げる工夫をすることで生まれます。
その生産性向上も、努力や根性といった精神論ではなく、
科学的に考察して取り組んでいきたいですね。
※参考:「サイゼリヤおいしいから売れるのではない売れているのがおいしい」(正垣 泰彦 (著))
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