著作権があるのに、音商標を登録する意味って?

2017年10月19日

「サムライツ™」の弁理士、保屋野です。

ファミマのサウンドロゴ(音商標)
https://goo.gl/VeV7TG
「♬あなたと、コンビに、ファミリーマート」
が商標登録されました。
H29.10.19付「流通ニュース」より)

小林亜星さんがメロディーを作曲されたんですね。
知りませんでした。
https://goo.gl/qZ6Xmv

音商標は、著作権とは異なります。
著作権作曲時点で発生し、申請不要
音商標は特許庁に出願して登録を受けることが必要。

では、作曲時点で著作権が発生するのに、
わざわざ音商標を出願して登録する意味は?

著作権の欠点は、独自に創作した著作物に対しては、権利が及ばない点にあります。

例えば、こちらが作ったCM音楽と似ているけど、相手も独自に創作したものだった。
こういう場合は著作権が及びません

でも、音商標を取っておけば、相手が独自創作だろうと、
類似の音を(類似の商品・サービスに)使用させないことが期待できます。

この商標権と著作権の違いは、権利で保護する”背景”が違うからです。
著作権は、創作そのものの価値を保護しています。
文化の発展を目的としているからです。
だとしたら、他人の創作をパクったら許さないけど、
独自に創作したなら、たとえ似ていても保護が認められるべきですよね?

しかし、商標権は“業務上の信用”を保護しています。
産業の発達需要者の保護を目的としているからです。
これはたまたま似ているものも排除しないと、
需要者が間違えてしまって、信用を維持することができません。

CM等で用いる音商標(サウンドロゴ)を、
ちゃんと出願して登録することで、
信用を維持して、商品やサービスの価値を高めることができるのですね。

音商標(サウンドロゴ)は聴覚を刺激し、人の記憶に残ります
商標と著作権の両輪で、企業価値をどんどん高めてください。