好感度の高いデザインには理由がある

好感度の高いデザインには理由がある

※2022年9月13日配信メルマガVol.193より抜粋(一部加筆修正あり)

aとb、どちらの牛乳パックのデザインが好きですか?

デザインに関する興味深い記事があったので、シェアいたします。
https://note.com/shikaku_labo/n/n0c690cc6ac64

「”牛乳パック”どっちが好きですか?」
というタイトルのnoteの記事で、
2種類の牛乳パック(架空のもの)を並べて、
どちらが好感度が高いのかを
直感で決めてもらうアンケートです。

ぜひ一度上記リンクを開いてみて、
aとbどちらが好みか、選択してみてください。

選びましたか?

おそらく多くの方が、
bを選ばれた
のではないかと思います。
私もbを選びました。

多くの人が同じデザインを好感している

こちらの記事では、
画像率」「文字のジャンプ率」「色相
といった「視覚スケール」の観点から、
好感度の高いデザインについて分析されています。

そして、「好みは人それぞれと思われていますが、実際には多くの人が同じデザインを好感しています」
と書かれていて、
デザインがいかに共感を作ることができるかを示しています。

そしてこの研究所では、
市販の牛乳パックのデザインについての好感度アンケートも行われていて、
一番好感度が高かったのが、明治の「おいしい牛乳」でした。
https://www.meijioishiigyunyu.com/

私は牛乳を飲みませんが、
どれか選ばないといけないとなれば、
確かに明治の「おいしい牛乳」を選ぶだろうなと思います。

「配色」のバランスも重要

私が明治の「おいしい牛乳」を選んだ理由は、
「配色」のバランスが素晴らしいから。

売れる商品の配色は、
70%が「ベースカラー
25%が「メインカラー
5%が「アクセントカラー
70:25:5
と言われていて、
この比率に当てはまっているように見えます。

※配色に関する記事は、過去にも書きましたので、ぜひご覧ください↓

売れる配色は70:25:5
※2019年7月16日配信メルマガVol.28より抜粋(一部加筆修正あり) 五感の認識で最も重要な「視覚」 人は五感を使って物事を認識しますが、「認識」の度合い…
samuraitz.com

「ベースカラー」は、70%程度と最も割合を多く占める色で、
「メインカラー」と「アクセントカラー」を引き立てる色です。
引き立て役なので、明度が高い色や淡い色が好ましいとされています。

この点、明治の「おいしい牛乳」は、
牛乳を表す「白」を「ベースカラー」としているので合格です。

次に「メインカラー」は、25%程度の印象を決定づける色で、
商品の持つイメージを伝える主役の色です。
最も重要な色であり、一番初めに決める色とされています。
文字を読みやすくするために、明度が低い濃い目の色が望ましいです。

この点、明治の「おいしい牛乳」は、
冷たく爽やかな「青」を「メインカラー」としていますね。
食品三原色は「赤」「黄」「緑」ですが、
牛乳は例外で、「青」でも違和感がありません。

最後に「アクセントカラー」は、5%程度の全体を引き締めたり、
アクセントを加えたりする色で、人の目を引く役割があります。
メリハリをつける色として、
「メインカラー」の補色(正反対の色)が選ばれることが多いです。
統一感を出すために、あえて同系色でまとめることもあります。

この点、明治の「おいしい牛乳」は、
「meiji」のロゴマークや、「ナチュラルテイスト製法」といった文字の部分に
「赤」の「アクセントカラー」を用いています。
パッと目がいくから、「あっ「meiji」の牛乳なんだ」
「なんだか自然な感じでおいしそう」
と瞬時に知覚することができます。

重要度の低い部分は薄く表示

それに加えて、現在の明治の「おいしい牛乳」のパックは、
「種類別 牛乳」「要冷蔵(10℃以下)900ml」といった
顧客にとって重要度の低い説明的な部分を、
明度を上げて、薄く表示
している点も優れていると思いました。
これにより、商品名やブランド名といった、必要なところだけに目がいくようになるので、
あえて情報量を減らすようにデザインされているのでしょう。

このように、「配色」も絶妙であるが故に、
明治の「おいしい牛乳」は、選びたくなるようなデザインなのではないかと思いました。

「おいしい牛乳」のパックのデザインは商標登録済

ちなみに、この明治の「おいしい牛乳」のパックのデザインは、
商標登録」されています(登録第6115511号、6117726号他)。

「おいしい牛乳」という文字では取りにくいから、
「明治」のハウスマークとデザインと一緒に取っているのです。
そのおかげで、同じデザインの牛乳パックは、
他社は出しにくい、
つまり競争優位性を保てるということですね。

したがって、優れたデザインを行い、
それを権利で守るところまで、セットで考える
ことが重要なのです。

※サムネ画像は「株式会社明治」公式サイトより引用

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