【非公式解説】stand.fmのガイドラインを読んでみた

【非公式解説】stand.fmのガイドラインを読んでみた

2021年6月11日

こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。
https://stand.fm/episodes/601f6da483a4826af7545093

※こちらの記事は、2021年2月6日に書かれた内容です。
現在の規約など状況が諸々変わっている場合がありますので、ご了承ください。

昨日、stand.fmの公式Twitterで、
コミュニティガイドラインのリンクがシェアされていました。

そこで、今回は、「stand.fmコミュニティガイドライン」を引用させていただいて、
こちらの解説をしていこうと思います。
(ご一読されることをおすすめいたします)
https://help.stand.fm/community-guideline

早速、項目を読んでいきますと、
6つの項目に分かれています。
私の専門は、1つ目の「権利に関すること」の項目のみですので、
基本的にここだけを読んで、
残りの部分で気になるところは、一応一般人としてお話します。

また、私はstand.fmの社員ではありませんので、
非公式の見解である点についてはご了承ください。
ガイドラインに関する問い合わせは、stand.fmにご確認ください。

★権利に関すること

こちらの項目は、さらに「音楽の利用」「アイコン・画像・名称の利用」「作品の朗読」の3つのパートに分かれています。

①音楽の利用

まずは「音楽の利用」です。
こちらについては、11回目の配信でも解説していますので、そちらもご参考ください。
https://wp.me/p9cvKw-sm
[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1758″]

ガイドラインによると

JASRACまたはNexToneが管理する楽曲を生演奏、アカペラ、歌詞の朗読、自分でデータを入力して作成した音源の配信の形で利用することができます

とあります。
これは楽曲申請のページから申請することで、利用可能という意味です。

まずはJASRACかNexToneが管理している楽曲であるか、確認する必要があります。

概要欄に検索ページのリンクを貼っておくので、
そちらから自分の使う楽曲がないか調べてみてください。
JASRAC:http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/
NexTone:https://search.nex-tone.co.jp

それ以外の楽曲については、

個別で著作権の許諾を得る必要があります

とあるので、楽曲の権利を管理している団体に、
必ず「事前に」自ら許諾を得てから配信してください。

また、

オリジナルの曲に大きな変更を加えて歌唱などを行った場合

は、前回の配信にも出てきましたが、
著作権の「翻案権」や
著作者人格権の「同一性保持権」の侵害になる可能性があります。
これは、勝手に他の言語に翻訳した場合も
同様に「翻訳権」侵害になりますので、ご注意ください。

それから、

CDやカラオケなどの音源をそのまま配信する場合には、著作権者又は著作隣接権の所有者から許諾が必要になります。

とあります。
基本的には、自分で演奏したりアカペラで歌う場合は、楽曲申請機能を使って、
音源に関しては、いわゆるフリー音源以外はなるべく使わない、ぐらいに考えた方がいいでしょう。

また、

特定の曲に関するサービス上の利用の可否については回答できかねますのでご了承ください

とあるので、
音源を使えるかどうか?について、stand.fmに問い合わせるのはやめましょう。

②アイコン・画像・名称の利用

他者が創作したキャラクターやインターネット上の他人の画像、または固有名詞(例:漫画の名前やドラマのタイトル)などを無断で利用すること

これらは、やはり著作権や商標権、肖像権やパブリシティ権といった権利に引っかかる可能性があります。
この辺りは、下記の投稿で、詳しく解説しましたので、そちらもご参考ください。
https://wp.me/p9cvKw-rI

[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1718″]

https://wp.me/p9cvKw-s8

[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1744″]

それから

他人が写っている写真や肖像を無断で使用すること

とありますが、
これはよく著名人のものまねやるときや、
著名人に関する話題を取り上げるときにやってしまいがちですが、
肖像権とパブリシティ権が問題になってきますので、
使わないようにお気をつけてください。

③作品の朗読

ガイドラインによると

特定の作品を朗読配信する行為は著作権の侵害にあたります

と書いてあります。

こちらもすでに何度かテーマとして取り上げていますので、
下記の投稿をご参考ください。
https://wp.me/p9cvKw-sV
[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1793″] https://wp.me/p9cvKw-sY
[cardlink url=”https://samuraitz.com/?p=1796″]

基本的には、「引用」に該当すれば問題ないのですが、
ここに関しては、自分自身もグレーゾーンでやっているので、
気をつけないといけないなと思います。
もっと内容をブラッシュアップして、
「引用の目的上正当な範囲内」に収まるように、
努めたいと思います。

ちなみに、個別のケースで「これは引用に該当するかどうか?」について、
stand.fmに問い合わせるのはやめましょう。

★欺瞞やスパム

以上が、「権利に関すること」の項目で、他にも5つの項目があるのですが、
その中で気になった点を取り上げていきます。

まず、「欺瞞やスパム」の項目で、
「なりすまし」というパートがあります。
こちらには

他人または団体になりすましての配信やコメントは禁止しています

と書いてあるので、ものまねはダメなんじゃないか?
と思うかもしれません。

ただし、その後に

娯楽を目的として他人または団体に真似て配信する場合は、ユーザーさまがその背景事情を理解できるよう、十分な説明を加えてください

とありますので、
タイトルや概要欄に「ものまね」と書けば、問題はないと考えられます。
あくまで、本人であるかのように誤解させることがNGということですね。

ただし、その場合でも本人の写真や肖像画、楽曲などを使うのは、
先ほどご説明したような権利の問題があるので、お気をつけてください。

★被害を受けた場合は

それから「被害を受けた場合は」の項目で、

迷惑行為を受けた、権利侵害が発生した場合においては、当事者同士での解決をお願いしています

とあります。
つまり、stand.fmの方で問題解決してくれるわけではないので、ご注意ください。
ガイドラインでは、
「警察のサイバー犯罪相談窓口」や「消費生活センター」「最寄りの警察署」「弁護士」が紹介されていますので、
これらにアクセスして相談されてみてください。
著作権や商標に関しては、国家資格の弁理士である私にご相談いただいて構いません。

以上、ちょっと長くなりましたが、
一度は必ずガイドラインをご確認の上、
個別のケースについて判断していただければと思います。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。