※2022年4月12日配信メルマガVol.171より抜粋（一部加筆修正あり）
世界で影響力を発揮する「こんまり」さん
近年最も世界で活躍した日本人女性の作家さんといえば、
片づけコンサルタントの「こんまり」さん、
こと、近藤麻理恵さんですよね。
「人生がときめく片づけの魔法」シリーズは、
改訂版も併せて、国内でも200万部以上、
世界では40カ国で翻訳され、
1200万部を超える大ベストセラーを記録しているそうです。
過去にもこんな記事を書きました↓
現在は米国に拠点を移し、
2015年には「TIME」誌の
「世界で最も影響力のある100人（The 100 Most Influential People）」
に選ばれるなど、
実は日本以上にその知名度を広げています。
2019年放送のNetflixのオリジナル番組
「Tidying Up with Marie Kondo」も話題を呼びましたよね。
「KONMARI」は世界で商標登録され、動詞にもなった
ちなみに「KONMARI (METHOD)」は、
米国や英国、カナダ、欧州、オーストラリア、コスタリカといった国で、
商標出願・登録されています。
https://www.tmdn.org/tmview/#/tmview/bookmark?s=aki6j879jp5kuj94klvmduf5et
それほど「konmari」という語が人々に浸透しているのです。
驚くべきは、英語で「konmari」が、
「こんまり流で片づける」という意味の動詞になっていること。
人々の生活習慣に影響を与えるまでになっているんですね。
これまでの掃除本、片づけ本と何が違う？
掃除や片づけといったジャンルの本は、とりわけ真新しいテーマでもなく、
これまでもたくさんありました。
ではなぜこんまりさんの本だけが、これほどまでに世界で支持されて、売れているのでしょうか。
多くの”掃除本””片づけ本”との違い、
それは「読者の価値観を変えた」ことにあると考えられます。
普通の”掃除本””片づけ本”は、
「掃除のやり方」「片づけ方」といった、
「やり方」にフォーカスをした内容になっています。
しかし、”こんまり本”は、
「一度片づけたら、絶対に元に戻らない片づけ法」という
「やり方」だけでなく、
「ときめくものを残す」ことで、自分の価値観がクリアになり、
決断力も身に付くといった、
「あり方」にフォーカスした本なのですね。
礼に始まり礼に終わる、
日本の「禅（Zen）」の文化や
スピリチュアリティを感じられるということで、
実は”スピリチュアル本“として手に取る人が多いようです。
こんまりさん自身も、
元は神社の巫女さんですし、
ものを片づけることがスピリチュアルな体験につながっていることを
こんまり本の中で示唆しているんですね。
「人生がときめく片づけの魔法」に隠された秘密とは？
さらに、本の表紙をご覧になってみてください。
改訂前の「人生がときめく片づけの魔法2」を見ると…
https://amzn.to/3O3ajAv
（同書Amazon販売ページより引用）
「き」「け」「魔法」
の部分だけ色が変わってますよね？
つまり「きけ魔法」=「効け魔法」
ということで、読者に魔法をかけていることを暗示しています。
まさに”掃除本””片づけ本”ではなく、
“スピリチュアル本”として売り出した本だったのです。
“掃除本””片づけ本”の市場よりも、
“スピリチュアル本”の市場の方が大きいのは明らかですから、
より多く売れるのは必至と言えるでしょう。
さらに、海外に人気の「日本の精神文化」が、
日常で実践・体感できる方法として紹介されているわけですから、
これだけ売れたのも納得ですね。
世界的に売る戦略を立てた、
プロデューサーで夫の川原卓巳さんとの
二人三脚が生み出した賜物だと言えます。
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