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商標法第4条第1項第11号で拒絶理由通知が届いた…どうする?
「商標登録を申請したのに、拒絶理由通知が届いてしまった…!」
「このまま何も対応しなければ、商標登録ができない…?」
「拒絶理由を覆す方法はあるの?」
✅ 拒絶理由通知を受け取っても、必ずしも商標登録を諦める必要はありません!
✅ 適切な対応をすれば、登録できる可能性はあります!
この記事では、商標法第4条第1項第11号の拒絶理由通知を覆すための具体的な対策を解説します。
まずは、「なぜ拒絶されたのか?」を正しく理解しましょう。
商標法第4条第1項第11号の拒絶理由とは?
商標法第4条第1項第11号では、「すでに登録されている商標と類似し、同一または類似の指定商品・役務である場合、登録できない」旨が規定されています。
✅ 拒絶理由通知で確認すべきポイント
拒絶理由通知には、あなたの商標と類似すると判断された引用商標の登録番号(出願番号)が記載されています。
📌 まずは「J-PlatPat」で引用商標を検索した上で、以下の点を確認しましょう!
- 本当に類似しているのか?(審査官の判断が適切かどうかをチェック)
- どの点が類似と判断されたのか?(外観・称呼・観念のどれが問題かを特定)
- 類似とされた既存商標は、実際に使用されているのか?(不使用取消審判を検討)
💡 拒絶理由を正しく理解することで、適切な対応策を選べます!
→ では、拒絶を覆すための具体的な方法を見ていきましょう。
拒絶理由通知を覆すための5つの戦略
✅ 1. 意見書を提出し、類似しないことを主張する
審査官の判断に誤りがある場合、「類似しない」ことを論理的に説明する意見書を提出 できます。
主張のポイント:
- 指定商品・役務の非類似を主張する(例:「医療用化粧品」と「一般化粧品」は異なる市場で使用される)
- 実際の取引状況を踏まえ、混同の可能性が低いことを示す
- 過去の審査・審決・判決事例を引用し、登録の可能性を示す

※実際の事件:
指定役務が第37類「金属加工機械器具の設置工事」等である商標出願が、第37類「運動用機械器具の設置工事」等を指定役務とする引用商標に類似するとして拒絶されました。
しかし、両役務は「提供の目的や場所、需要者の範囲、業種のいずれにおいても、一致しない」として、非類似と判断され登録された事例があります(不服2023-13619)。

※実際の事件:
「空気グミ」という商標出願が、引用商標「空気ケーキ」に類似するとして拒絶されました。
しかし、過去のさまざまな事例を提示した上で、本件商標は「空気グミ」で一体不可分と認識されるため、「空気ケーキ」とは類似しないと主張したところ、非類似と判断され登録された事例があります(不服2023-13567)。
📌 意見書の作成は専門知識が必要なため、弁理士に依頼すると成功率が高まります!
✅ 2. 指定商品・役務を削減し、登録可能な範囲を確保する
拒絶理由通知では、特定の指定商品・役務について類似と判断されることが多い です。
その場合、問題となる指定商品・役務を削除(補正)し、登録可能な範囲を確保する方法があります。
例:
- 「洋服」と「帽子」が両方指定されていて、「帽子」だけが引用商標の指定商品と類似する場合、「帽子」を削除する

※実際の事件:
第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,会議室の貸与」等を指定した商標出願が、同じく第43類「飲食物の提供」等を指定した引用商標に類似するとして拒絶されました。
そこで、「飲食物の提供」を削除する補正を行ったところ、残りの「宿泊施設の提供,会議室の貸与」等については非類似と判断され登録された事例があります(不服2023-8300)。
📌 商標の核心部分を守るために、どの範囲を削減すべきか慎重に判断しましょう!
✅ 3. 先行商標が実際に使用されていない場合、不使用取消審判を請求する
拒絶理由のもととなった商標が3年以上使用されていない場合、不使用取消審判を請求できる 可能性があります。
流れ:
- 先行商標の使用状況を調査(店舗やウェブサイトをチェック)
- 3年以上使用されていなければ、不使用取消審判を請求
- 成功すれば、あなたの商標が登録可能に!

※実際の事件:
第3類「せっけん類,化粧品,香料」等を指定した商標出願が、同じく第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定した引用商標に類似するとして拒絶されました。
そこで、不使用取消審判を請求したところ、引用商標の登録が取り消されて、出願商標が登録になった事例があります(不服2021-7353)。
📌 この手続きは専門知識が必要なため、弁理士に相談するとスムーズに進められます!
✅ 4. 商標を根本的に変更し、再出願する
単なる表記変更(カタカナ→英字など)では、類似と判断される可能性が高いため、根本的に異なる要素を加えて再出願することが有効です。
変更の例:
- 語尾や意味を変え、新しいブランドイメージを作る(例:「SAKURA」→「SAKURAN」)
- 新たな記号や独自のデザイン要素を追加し、明確に違いを出す
📌 再出願時には、新たな拒絶リスクを回避するため、弁理士と相談するのがベスト!
✅ 5. 既存の商標権者と交渉し、コンセント(承諾書)を取得する
商標法には「コンセント制度」があり、既存商標の権利者が承諾すれば、登録が認められる場合があります。
手続きの流れ:
- 既存商標の権利者に連絡し、「コンセント(承諾書)」及び「混同を生ずるおそれがないことを明らかにする資料」を依頼
- 承諾書等を取得し、特許庁に提出
- 審査官の判断により、商標登録が可能に!
📌 弁理士が交渉をサポートすることで、スムーズなコンセント取得が可能になります!
まとめ – 拒絶理由通知を受け取ったら、すぐに対応を!
✅ 拒絶理由通知が届いても、適切な対応をすれば登録できる可能性がある!
✅ 意見書の提出・指定商品の削減・再出願など、複数の解決策がある!
✅ 専門知識が必要なため、弁理士に相談するのが最もスムーズ!
商標登録を諦める前に、まずは最適な対応策を検討しましょう!