シリーズ展開&コラボでブランド力UPした「ゆかり」

シリーズ展開&コラボでブランド力UPした「ゆかり」

※2021年6月8日配信メルマガVol.127より抜粋(一部加筆修正あり)

「ゆかり」ふりかけの誕生と名前の由来

赤しそのふりかけといえば…
三島食品の「ゆかり」ですよね。
https://www.mishima.co.jp

1970年の発売以来、多くの家庭の食卓やお弁当を彩り、
愛されてきた、定番の商品です。

元々、漬物店でしそ漬けがよく売れているのに目をつけた社員が、
商品化を提案したのが始まりでした。
しそをふりかけとして食べる習慣もなく、
風味を落とさずに水分を飛ばして乾燥させるのは、
なかなかの困難があったそうです。

「ゆかり」の名前は、古今和歌集に収められた、
「紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」
という歌が元になっています。

縁やゆかりのあるものとして、むらさき草が詠われていることから、
縁やゆかりの色は「紫色」を言うようになり、
商品の色に合わせて名付けたというわけですね。

「ゆかり」は他人が商標権を持っていた!

こうして発売された「ゆかり」ですが、
発売当時、他の人が商標権を持っていました。
それでもそのまま「ゆかり」を売り続け、
全国的に認知が広がったところで、
1999年に商標権を譲り受けたそうです。

他者に権利を握られたまま、
商業化を進めていくことにはリスク
がありますし、
通常はおすすめしません(別の名前をおすすめします)が、
結果的にはブランドを作り上げ、権利も手にすることができて、
運がよかったと思います。

シリーズ展開でブランド力UP

ブランドのあり方も、時代により変わってきます。
当初は、赤しそふりかけの代表的存在として、
「ゆかり」は不動の地位を築いたわけですが、
1984年には青じそふりかけの「かおり」が、
2018年にはたらこふりかけの「あかり」がデビューし、
“シリーズもの”として認知されるようになります。

現在でこそ「三姉妹シリーズ」として知られていますが、
元々三姉妹を狙ったわけではなく、
「あかり」が登場した際の
「まるで姉妹!?」とのTwitterでのつぶやきをきっかけに、
「三姉妹」で売り出すことに

顧客とのコミュニケーションがきっかけで
ブランドが出来上がっていく
のは、
SNS全盛の現在らしい形だなと思います。

さらに、混ぜごはんの素にもシリーズが生まれ、
昨年2月にはカリカリ梅の「うめこ」、
今年2月には広島菜の「ひろし」が登場し、
ネット界隈が沸きました。

こういった相乗効果で、
「ゆかり」も知られるきっかけとなり、
ブランドが育っていくんですね。

ブランド力UPでコラボの引き合いも増加

ブランドに力がついてくると、
さまざまなブランドとの「コラボ」の依頼も増えてくるようになります。

それまでは「商品としての価値」が認められてブランドが育つ形でしたが、
「ブランドそのものの価値」が認められることで、
ブランドが育つ
流れですね。

成功例では、海苔メーカーの「やま磯」とコラボした
「ゆかり®︎味のり」があります。
https://amzn.to/3yWXxvU
「ゆかり」を用いた赤しそ風味の味付のりで、
「®︎」マークの入ったラベルと、
「三島食品の「ゆかり®︎」使用」の記載により、
「ゆかり」ブランドをアピールしています。
品質にはこだわりつつ、価格設定は安くしないのも、
ブランド価値を下げないためには大事ですよね。

もちろん、両者は商標「ゆかり」の使用許諾契約を結んでおり、
その条項の中には、
「ブランドイメージを落とさない商品にする」
との文言も含まれている
そうです。
この辺りも抜かりなし、といったところですね。

また、「Yukari Classic」というリキュールまで発売し、
商標も「果実酒」などの分野で登録しています。
https://amzn.to/3CB1zB2

商標は「他者を排除するもの」ではなく「他者といい関係を築くもの」

三島食品は、商標権について
独り占めして、他者を排除するもの
ではなく、
他者といい関係を築くためのツール
として捉えており、
その姿勢が、積極的なコラボの形で現れているようです。

きちんと商標を取る意味を理解し、
実際に活用することで、
唯一無二のブランド資産を築いているんですね。

【サムライツ(R)】公式メルマガ(無料)
  *
  *
メールアドレス  *