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★「みりん風調味料」と「みりん」はカテゴリーが違う
スーパーに行くと、
「みりん」と「みりん風調味料」あるいは「みりんタイプ」と書かれた調味料が
並んでいることがありますよね。
なんとなく、「みりん風調味料」あるいは「みりんタイプ」と書かれたものは、
「みりん」のような味付けをした調味料なんだな〜ぐらいに思っていらっしゃるかもしれません。
ところが、これらは法律上、全くの別物ということをご存知でしょうか?
お料理がお好きな方はご存知かもしれませんが、
「みりん」というのは、アルコール分約14%の、
酒税法に規定する「酒類」に該当するものです。
当然、法律でガッチガチに定義されていて、
もち米、米麹、醸造アルコール、糖類など酒税法で決められた原料を使っています。
米麹の酵素の力で分解反応を起こして、糖化熟成させることで製造するんですね。
一方、「みりん風調味料」あるいは「みりんタイプ」の調味料は、
アルコール分1%未満のもので、
カテゴリーとしては「飲食料品」に該当します。
裏側の成分表示を見るとわかるように、
水あめだとか食塩のように、さまざまな原料がブレンドされて、
みりんのような味を実現しています。
アルコールのあるなしで、
食材に作用する働きが変わってくるので、
いくら「みりん風の味がする」といっても、
全く別物である点はご注意ください。
★「みりん風調味料」と「みりん」の税率の違い
また、「みりん風調味料」あるいは「みりんタイプ」の調味料は
「飲食料品」のカテゴリーなので、
当然、軽減税率の適用対象になります。
したがって、消費税は8%です。
一方、
「みりん」の方は「酒類」のカテゴリーなので、
軽減税率の適用対象外ということで、
消費税は10%になります。
この点は「料理酒」なんかも同じで、
消費税は10%ということになります。
(ただし、食塩が添加されたものは「食品類」となり、消費税8%です)
※参考:「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」より
★「みりん」の歴史
こういった違いを区別するために、
「みりん」のことを「本みりん」とも言いますが、
全国味淋協会によると、
元々、本みりんは、
「戦国時代(16世紀)の頃には、甘い飲用酒類として飲まれて」いたそうです。
調味料として活用されたのは、
江戸時代後期(19世紀)で、
「鰻のたれやそばつゆに使われだし」たとのこと。
意外に歴史が浅いんですね。
※参考:「本みりんの知識」
https://www.honmirin.org/knowledge/
★現存最古の出願商標は「みりん」の商標
ちなみに、商標登録の雑学をお話しますと、
今登録されている商標の中で一番古くに出願された商標が、
実は「みりん」に関する商標です。
九重味淋株式会社の「九重」という商標ですね(登録第521号)。
今から131年前の
1890年(明治23年)7月31日
に出願されています。
これについて、詳しくは以前の記事でご説明していますので、
ご興味のある方は、そちらもご参考ください。
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以上、「みりん風調味料」と「みりん」は全く違うんだということを覚えていただいて、
お買い物の際にはよくお考えになって、間違えないようにお選びいただければと思います。
過去に「本みりんタイプ調味料」と書かれた調味料が、
紛らわしいということで、違法になったことがありましたが、
いまだにわかりにくい表示もあるので、ご注意ください。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。