手技の事業のブランド化

手技の事業のブランド化

2020年11月16日

※2019年5月21日配信メルマガVol.20より、一部加筆修正の上抜粋

水を使わずに頭をほぐす「ドライヘッドスパ」専門店、
「悟空のきもち」をご存知でしょうか?
https://goku-nokimochi.com/

薄い頭筋膜をとらえる、オリジナルの「21の手技」を用いて、
どんな人でも10分以内に快感で眠りについてしまう「絶頂睡眠」が話題となり、
日本一予約が取れない店として有名です。
国内4店舗すべて上限の3ヶ月分満席で、
キャンセル待ち人数の合計は、
なんと「456,625人」だそうです(2019年5月現在)!
この5月には海外初のニューヨーク店もオープン予定で、
ついに筋斗雲が海を渡るようですね。

ヘッドマッサージ店は数あれど、なぜ「悟空のきもち」はこれだけ人気になったのでしょうか?
技術の高さはもちろんあるのでしょうが、
私としては、やはり「ブランドづくりに長けている」という点を挙げたいと思います。

まずは、店名を見て「なんだろう?」と思わせる、惹きつけるネーミングをしています。
「悟空」は小説「西遊記」に出てくる主人公名で、
頭にはめられた「緊箍(きんこ)」という輪っかから解放されたときの
スッキリした「きもち」に由来しているようです。
ネーミングにストーリーがあって、効果を暗示させるため、
記憶に残りやすい点も優れています。

もちろん「脳疲労改善」や「美容」に効くとされる、ヘッドスパに絞った技術と、
快感の中で”誰もが10分以内に寝てしまう”という「絶頂睡眠」の強烈なパワーワードは、
「自分も試してみたい」と思わせるのに十分な効果があります。
そして、「一般社団法人ドライヘッドスパ協会」を立ち上げた上、
施術をするスタッフを「ヘッドマイスター」と名付けて、
育成及び技術向上、セラピスト個人のブランディングに努めています。
http://dry-headspa.com/

お店のコンセプトとデザインも、店舗ごとに作り込まれていて、
普通のヘッドスパでは体験できない、5感を刺激する極上の体験を提供してくれます。
例えば、「大阪 心斎橋店」は「眠るスイーツ体験」、
「原宿神宮店」は「眠るアトラクション」で、さらに4フロアで異なるコンセプトを採用しているんですね。

席数はあえて少なくしていて、お客さんを”待たせる”ことも、
「ブランド価値」を高めている要因の一つです。
その待たせている数を、堂々とHPに発表しているのですから、
非常に確信的にやっていることがわかります。

その他、枕の代わりに用いる寝具として「熟睡用たわし」を販売したり、
https://goku-nokimochi.com/tawashi.html
「ただの畳」という謎の?出張型のサービスを始めたり、
https://goku-nokimochi.com/tatami/
新しい仕掛けもどんどん展開しています。

こういった、様々な取り組みを通じて、ブランドをつくり、行列をつくっているんですね。

ちなみに、店名の「悟空のきもち」、他社と差別化した特徴を表す「絶頂睡眠」、
人材育成の協会名「ドライヘッドスパ協会」、商品名の「熟睡用たわし」「睡眠用たわし」は、
すべて商標登録済み。「ただの畳」まで商標出願中で、とても攻めています。

特に難しいことをしているわけではなく、
上記のような「価値の伝え方」を工夫して、一貫性をもたせているのですね。
整体等の手技そのものは、特許の対象となりません。
したがって、オリジナリティを売りにするには、ブランドの力が占める重要性が増すのです。

独自の手技を用いた事業をされている方には、なかなか参考になる事例ではないかと思います。

 

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