【「ぴえん🥺」商標出願で、マジぴえん🥺?】一般ユーザーには特に問題ない理由

【「ぴえん🥺」商標出願で、マジぴえん🥺?】一般ユーザーには特に問題ない理由

「「ぴえん🥺」が商標出願されてる!」
「これから使えなくなるってこと?」
「マジぴえんなんだけど🥺」

ネットのニュースをみて、こう思った方もいらっしゃるかもしれません。
参考:https://www.j-cast.com/2020/11/20399418.html

しかし一般ユーザーである私たちには、特に問題になりませんので、ご安心ください。
仮に登録されても、
メールとかLINEとかTwitterとかで、
絵文字自体が使用できなくなるわけではないのです。

(J-PlatPatより画像引用)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2020-134032/EF3ECE9DFFC5DDEC76744DA59F18C0972CDA60E53F5B82ACEC7C77F86C1FA402/40/ja
こちらの商標出願公報を見ながら、解説していきます。

調べてみると、確かに「🥺」の絵文字が3種類2個ずつ、合計6つ並べられたものに、
「ぴえん」のひらがな文字が下部に配置されてなる商標が、出願されています。

【出願日】は令和2年10月29日。
まだ登録はされておらず、審査前の段階です。
【出願人】は「株式会社ブランチ・アウト」という、
広尾にあるアパレルのOEM、ODMの会社ですね。
https://www.branch-out.jp

そして、商標の権利の範囲を決める、最も重要な
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】には、
「第18類   かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,皮革,ペット用被服類,ステッキ,つえ,かばん金具,がま口口金 」
「第25類   被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴 」
と記載されています。

つまり、仮に商標登録されたとしても、
「カバン」とか「傘」とか「服」とか「靴」等に、
「🥺」の絵文字6つ+「ぴえん」のひらがな文字からなるこの図形をつけて、
販売したりレンタル事業したりしてはいけない、
ということになるだけなんですね。

繰り返しますが、ブログとかYouTubeとかSNSで、
「ぴえん」の文字や、「🥺」の絵文字自体が使用できなくなるわけではないのです。
これからもバンバン使ってください。

もちろん、アパレル会社の中には、
「「ぴえん🥺」をビジネスで使いたかったのに。。」
という人もいるかもしれません。

この場合でも、本件はまだ出願中で権利になっていませんし、
審査で拒絶される可能性もあります。
また、「ぴえん」の文字のみ、「🥺」の絵文字のみを使用したとして、
今回の「「6つの🥺」+「ぴえん」の図形商標」と類似するかどうか?は
多少争いの余地があります。
(「🥺」の絵文字使用は著作権の問題もありますが)

(J-PlatPatより画像引用)

かつて、インターネット掲示板の2chで自然発生的に誕生して流行した、
「ギコ猫」の文字や「のまネコ」の文字図形が、
企業によって商標出願されたことがありました。
この時は、「商標出願するのはフェアじゃない!」と批判が集まって、
結局出願を取り下げたんですね。

今回の「ぴえん🥺」を出願した企業は、
「取引先に迷惑を掛けないため」
「独占的・排他的な活用は想定してない」
と説明しており、
商標権取得を目指す姿勢は変わっていないようですが、どうなるでしょうか。

いずれにしても、今回のような「けしからん商標出願」に関するニュースはたびたび報道されますので、
その都度、正しい商標制度について理解を深めていただけたらと思います。