「平成」は商標登録できる?

「平成」は商標登録できる?

「サムライツ®」代表の保屋野です。

今年は天皇陛下のご譲位と、御代替わりが行われ、元号が改元されることになりますが、
元号からなる商標や、元号を含む商標は、登録できるのでしょうか?

これについては審査基準が公開されており、
現元号として認識される商標は、登録することはできません。
(「商標審査基準〔改訂第13版〕(商標法第3条第1項第6号)」より)

なぜなら、会社の設立時期や、商品の製造販売時期等を表示するものとして、一般に使用されているものは、
単に元号として認識されるにすぎず、
誰もが使用できる言葉なので、自社と他社の商品やサービスを区別することができないからです。

したがって、今の元号である「平成」は登録できませんし、
新元号になった後は、新元号を商標登録して独占しよう、なんてことはできないわけです。

また、新元号に改元後、旧元号となった「平成」を登録できるかというと、
これも単に旧元号を表すにすぎないので、登録することができません

元号と他の文字を組み合わせたものについてはどうかというと、
その組み合わせた文字が商品やサービスの普通名称であるような場合は、
やはり登録することはできません

例えば、ビールに「平成ビール」とか、運送サービスに「平成運送」などです。

ただし、特定の商品やサービスに長期に渡って大々的に使用し続けるなどして、
その商標が特定の業者の商品やサービスを表示するものであることが認識できるようになった場合は、
商標登録を受けられる可能性は出てきます。

要するに、元号を含む商標は誰もが使用できるものであるから、
原則一社に対して登録を認めることはないけれど、
すでに特定業者の商標として広く知れ渡っているような場合は、登録を認められる可能性がある、ということですね。

ちなみに、日本最初の元号は、
西暦645年に、飛鳥時代の孝徳天皇によって制定された「大化」だそうです。
中大兄皇子が蘇我氏を滅ぼして、律令国家の建設と天皇による中央集権体制が敷かれることとなりました。

今年はそんな元号の歴史に新しい1ページが加わるということで、とても楽しみな1年ですね。