なぜ「キユーピー」の「ユ」や「キヤノン」の「ヤ」は、小さい字ではないのか?

なぜ「キユーピー」の「ユ」や「キヤノン」の「ヤ」は、小さい字ではないのか?

2019年1月17日

「サムライツ®」代表の保屋野です。

今年、2019年に創業100周年を迎える「キユーピー株式会社」ですが、
なぜ「キューピー」と発音するのに、「ユ」の部分は小さい方の「ュ」ではないのでしょうか?

同様の例として、「エドウイン」や「富士フイルム」、「キヤノン」、「シヤチハタ」などがあります。

理由はそれぞれの企業ごとにあるのですが、
「キユーピー」の場合は、「デザイン上のバランス」なんだそうです。
1922年に大きい「ユ」で商標登録を受けて以来、
「キユーピー」の表記を使用し続けているのですね。

もともと、「キユーピー」は、食品工業株式会社という会社で、
創業者の「中島董一郎(なかしまとういちろう)」氏が、
海外実業練習生として米国滞在中にマヨネーズに出会い、
これを日本で製造販売するために設立されました。

そして日本に「マヨネーズ」が誕生したのが1925年。

ちょうど衣食住の欧米化が進んでいる頃で、
当初はサラダを食べる習慣がなく、魚介類と一緒に食べられていたそうです。

キューピーは、米国のイラストレーターであるローズ・オニール氏が創作した、
キューピッドをモチーフにしたキャラクターなのですが、
これが日本でも流行したために、創業者の「中島董一郎」が、
幅広い年代に愛されるようにと、キューピーを商標にしました。

権利関係は問題なかったのかはわかりませんが、
今は著作権も切れていると考えられますし、
そのおかげで食卓でも愛されるきっかけになったので、
「キユーピー」は、日本で最初にキャラクターを食品分野に活用した功労者といってもよいのではないでしょうか。

ちなみに、「キヤノン」の「ヤ」が大きいのは、小さい「ャ」では上に空白ができて穴が空いたように見えてしまうので、バランスを考えて大きな「ヤ」にしたそうです。

社名やブランド名は、やはりこだわりを持ってつけられていることが多いので、
ぜひ間違えないように、注意して取り扱いたいところですね。