番組タイトルを決めるときに「商標調査」してますか?

番組タイトルを決めるときに「商標調査」してますか?

こちらのブログ内容は、音声で聞くこともできます。

https://stand.fm/episodes/6260eafbf5135300072b5e1a

※こちらの記事は、2022年4月21日に書かれた内容です。
ご了承ください。

先日、YouTuberのヒカルさんと、格闘家の朝倉未来さんの、
新しいプロジェクトの名前、U-NEXTの番組名が、
権利問題で使えなくなってしまったことがニュースになりました。

・「朝倉未来&ヒカル共同プロジェクト、権利問題でタイトル変更に 新タイトルを急きょ考案」
https://www.oricon.co.jp/news/2232067/full/
・「ミライエが放送できなくなりました」

その番組名は「ミライエ」と言って、
起業を目指す男女6名を一般公募し、
一つ屋根の下で共同生活しながら、
事業を作り出す様子を撮影する、
リアリティーショーなのだそうです。

この「ミライエ」という単語が、
他の会社によって、すでに商標登録されていたことがわかって、
交渉がまとまらずに、急遽タイトルを変更して、
「Nontitle」という名前に変わったみたいですね。

動画の中の様子でわかるように、
商標の知識があまりないのにも関わらず、
「これはいける」
と勘で判断してしまっているのが、
非常に危ないなと感じました。

このように、番組タイトルを決めるときにも、
他の人や企業の商標が関わってくることがあるので、
注意が必要です。

では、みなさんは、
YouTubeなどの番組タイトルを決めるときに、
ちゃんと調べましたでしょうか?

ほとんどの人は調べてないと思いますが、
もし今後、チャンネルを大きくしていきたいとか、
ビジネスとして育てていきたいという考えがあるのであれば、
調べておいた方がいいと思います。

本当は、私のような弁理士に依頼をして、
プロに調査してもらう方が、
より正確に調べられますし、類似かどうかの判断もできるのですが、
数万円のお金がかかってしまうので、
お金かけたくない人のために
自分で調べる簡単なやり方をご紹介します。

その前に、調べた方がいい場合と、
調べる必要性が低い場合とがあります。

調べた方がいいのは、
造語からなる言葉である場合です。
今回ニュースになった
「ミライエ」は、まさに造語ですよね。

調べる必要性が低いのは、
その業界で普通に使わていそうな、
説明的な言葉である場合です。
私のstand.fmのチャンネル名
「ビジネスに役立つ法律などの話」
は、まさに説明的な言葉なので、
調べる必要性が低いです。

他にも色々あるんですが、
説明が複雑になるので、これくらいにしておきます。

では調べようといった時に、
商標登録されているかどうかは、
「J-PlatPat」というサイトで、
ある程度調べられます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp

こちらの「簡易検索」に、
番組名の中の造語の部分を打ち込んで調べてください。
なるべく、英語表記、カタカナ表記、ひらがな表記、漢字表記と、
いろんな表記を想定すると確実です。
一覧が出てきたら、「商標見本」と「商標 (検索用)」のところを見て、
似てるのがないか探してみてください。
もしあったら、避けるか、
詳細な判断を弁理士に依頼するか、
リスク覚悟で使い続けるか、といったところですね。

本当はこれだけでは不十分なのですが、
何もしないよりはまだマシということで、
ご紹介しました。

あとは、Google検索とか、使っているSNSの中での検索も、
合わせて行うといいでしょう。
たとえ商標登録がなくても、紛らわしいとトラブルの可能性があります。

ぜひ安全安心なチャンネル運営のためにも、
商標調査されてみてください。

※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。