「サムライツ®」代表の保屋野です。
会社名(法人名)を商標登録する必要があるかどうかについてですが、
目的によって必要性が決まります。
結論としては、
①商標として使用するなら、商標登録の必要性が高い
②商標として使用しないなら、商標登録の必要性が低い
ということになります。
①社名を商標として使用する場合
もし、その会社名を商標としても使用されるのであれば、
商標登録は必要と考えられます。
なぜなら、法人登記をしたからといって、商標までも保護されるとは限らないからです。
申請をする先も、法人登記は法務局であるのに対し、
商標登録は特許庁に行う必要があります。
「商標として使用する」というのは、
社名をそのままブランド名として使用するケースが当たります。
例えば、「ソニー株式会社」は「ソニー」「SONY」、
「株式会社メルカリ」は「メルカリ」「mercari」などです。
また、具体的な商品やサービス名で使用する計画がなくても、
個人名ではなく、社名で認知を広げて、社名で仕事を取れるようにしたい、
というときには、社名を商標登録する意義はあると思います。
特に組織化により、コーポレートブランディングを目指している場合です。
中には、商品やサービスのブランド名が世の中に広く知られるようになったことで、
その商品名やサービス名に合わせて、社名を変更するケースも見られます。
例えば、自動車ブランドの「SUBARU」のメーカーである「富士重工業株式会社」が、
2017年4月1日に「株式会社SUBARU」に社名変更した例や、
「ZOZOTOWN」を運営する「株式会社スタートトゥデイ」
(今、前澤社長の1億円お年玉RTキャンペーンで話題ですねー!)が、
2018年10月1日に「株式会社ZOZO」に社名変更した例
などがあります。
これにより、商品・サービスで得た知名度を社名に活かすことができるので、
社外での社名の認知度が上がったり、
社内での社名への愛着が増えたりするわけです。
(有名会社の社員は、名刺を出すと合コンでモテるようになる?!)。
②社名を商標として使用しない場合
一方、会社名を商標として使用されない場合は、
商標登録をする必要性は低いといえます。
法人登記されている以上は、会社名として使用することは問題ないからです。
もちろん、将来的にブランド名として使用する余地を残したい場合や、
他社による使用や登録を防ぎたい場合は、商標登録される意義はあります。
例えば、「ユニクロ」を製造販売する「株式会社ファーストリテイリング」は、
商品やサービスのブランド名ではないですが、「FAST RETAILING/ファーストリテイリング」を商標登録しています(登録第4689538, 4752935, 5019649, 5137370, 5137371, 5572378号)。
このように、社名を商標登録する必要性は、
その目的で決まると考えてみてください。