・「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」(東大ケーススタディ研究会 (著))
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論理力や仮説思考を支える「フェルミ推定」を、6パターン・5ステップに整理し問題集化した、現役東大生ならではの視点で体系化した一冊です。
本書の骨子と魅力
① フェルミ推定を“パターン化”
出題される切り口を「所有(①個人・世帯ベース、②法人ベース)」「存在(③面積ベース、④ユニットベース)」「売上(⑤マクロ売上推定、⑥ミクロ売上推定)」の6つに分類。下記の「(2)アプローチ設定」の際に適用可能なアプローチがまとめられているので、「何をベースに数えればいいか?」がわかるようになります。
② 明快な5ステップ
(1)前提確認→(2)アプローチ設定→(3)モデル化→(4)計算実行→(5)現実性検証
と論理的思考を手順化しています。
特に、「定義」や「範囲の限定」を行う(1)前提確認は、何を導き出すのか?を明確にするために重要なステップになります。
(2)アプローチ設定では、例えば「日本にカバンがいくつあるか?」という問題に対して、「日本におけるカバンの数=日本の人口×カバンの平均所有数」のような基本的な式を設定。
(3)モデル化では、上記の例で言う「日本の人口」を「男女×各世代(0~80歳)」、「カバンの平均所有数」を「それぞれのセグメントのカバンの平均所有数」のように分解して、より具体的に答えを導きやすくしています。ここで、人を納得させられる式に展開できるかが勝負所になります。
そして、(4)計算実行を行い、それぞれの要素に数字を入れて、(5)現実性検証で、これらの計算式や数の正確さをチェックすることになります。
人によっては、この時点で難しく感じてしまうかもしれませんが、フェルミ推定がこのように行われているんだということがよく理解できると思います。
③ 豊富な例題
東大生が1000題以上解き込んだデータを厳選。実際に手を動かして考えることで、机上の理論では終わらない“使える思考力”が身に付きます。
読んで感じたこと
本書を読むことで、「答えのない問いに向き合う面白さ」を体感しました。仮説を立て、論拠を言葉にし、数字を当てはめて導くプロセスに、謎解きをしているようなワクワク感があります。
問題集のような本なので、これだけではフェルミ思考の全体像を掴むのに物足りない部分もあります。したがって、他にもフェルミ推定の本は数多く出ているので、色々な本を手に取ってみるといいでしょう。
論理的頭脳を鍛えたい人、地頭力を磨きたい人には、「型」「手順」「演習」が揃った、初心者に優しい“入門編”として非常に価値があると思いました。
特におすすめしたい人
- 就活・コンサル・ビジネス面接でフェルミ推定を求められる人
- ロジカルな思考プロセスを習慣化したい人
- 論理的に素早く概算できるスキルを身につけたい人
この本を読み終えると、「自分でもこういう問題に立ち向かえそう」という手応えが確かに残ります。地頭を育てる第一歩として、ぜひ手元に置いてほしい一冊です。
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