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日本の特許制度が始まって、最初に特許が認められた発明は何か、ご存じでしょうか。
これは、
堀田瑞松さんという方が発明した「船底のさび止めの塗料」に関するものです。
「堀田錆止塗料及ビ其塗法」という名称で登録されました。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-1/19A5C2E85CE1EDD83BD5849FCD30D1274DD92232046B22EB54B1ABD0D6BEE265/15/ja
日本化工塗料株式会社さんのHPによると、
当時、鉄製の船舶の船底が、海水によって侵食されてしまって、
6ヶ月ごとにドックに入って錆止めを塗り直さないといけないという状況でした。
そこで、もっと効き目の強い錆止めを開発すれば、
塗り直す周期を伸ばすことができて、
大きな利益につながるんじゃないか
ということで研究に着手したんですね。
そして、実験が成功したので、特許を出願したところ、
見事に1番目に特許を取得することができました。
https://www.nippon-kako.co.jp/patent.html
ちなみに、いつ登録されたかわかりますか?
なんと明治18年(1885年)です。
今から137年前なのですね。
明治18年(1885年)7月1日に出願し、
8月14日に登録されました。
で、なぜ今日この話をしたかというと、
実は、この特許第1号の明細書のコピー(レプリカ)を額縁に入れて持っているんですが、
それを下さった弁理士の先生がお亡くなりになったんですね。
それまで面識はなかったんですが、
6年前に独立した時に、
共通の知り合いの弁理士の方から
先生をご紹介いただきました。
その先生が事務所に飾っていたものを、
閉鎖のタイミングで、
若手の弁理士の人に渡したいということで、
いただいたものなんですね。
その感謝の気持ちを込めて、
テーマに挙げさせていただきました。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
そして、こういった歴史を語り継ぐことも、
この職業を続ける上では大切にしたいなと思います。