※2025年3月25日配信メルマガVol.325より抜粋(一部加筆修正あり)
消費者がものを買うときの手順とは?
これまで何度か、消費者がものを買うときの手順を説明してきました。
もう一度おさらいしますと、
①最初に悩み(ニーズ)や欲しいもの(ウォンツ)が発生し、
②その後に頭の中にある引き出しから
これらを解決してくれる商品・サービス名をいくつか思い浮かべ、
③その中から一番好感を持っている商品・サービス名を選ぶ
という流れですね。
最終的に選ばれるためには、
①のニーズやウォンツと自社の商品・サービスが結びついていないといけないわけです。
結びつかないと思い出してもらえず、②の候補に入らないからですね。
ペヤングの「新商品」戦略
思い出してもらうためには、
広告の切り口を変えることなどが考えられますが、
「新商品を出す」
という手段もあります。
それも、単に新商品を出すのではなく、
「新商品で話題を作る」
ことで、メディアに拡散させて無料のPRを行うのが効果的です。
例えば、今年発売50周年を迎えた即席麺の「ペヤングソース焼きそば」。
https://www.peyoung.co.jp/
主に東日本で販売されているロングセラー商品ですが、
ここ数年は「変わり種」の商品を連発して次々に話題を作っています。
一例を挙げると、
「チョコレート」「アップルパイ」「ミステリー」
「夜のペヤング」「プラス納豆」「獄激辛やきそばFinal」
それから、麺や特定の食材を大量に入れた
「背脂MAX」「にんにくMAX」「パクチーMAX」
「きのこMAX」「黒ゴマMAX」「鉄分MAX」
「超超超超超超大盛やきそばペタマックス(878g、4184kcal)」
コラボ系は、
「スカルプD」「アパ社長カレー味」「ハローキティのボロネーゼ風」
「沖縄・石垣島ユーグレナ塩」「ゴールドシップ(ウマ娘)の野菜ハーモニーペペロンチーノ風」
など、500種類以上にのぼります。
これだけたくさんの変わり種商品を出すのは、
単なる「競合他社との差別化」ではなく、
「話題を作ることで思い出してもらう確率を増やす」ためなんですね。
前述の「チョコレート」や「アップルパイ」味などは、
正直「まずかった」というレビューが多いのですが、
これも話題にしてもらった時点で狙い通り。
激辛や大容量商品も、インフルエンサーたちが挑戦してSNSに挙げてくれるので、
広告を打たなくてもたくさんの人に拡散されます。
こうして「ペヤング」のブランド名が人々の頭に残るのです。
定番商品を売るための変わり種商品
結局のところ、数多ある変わり種商品の売上比率は全体の2割程度で、
後の8割はオーソドックスな定番の「ペヤングソース焼きそば」。
たまに変わり種に挑戦しても、「やっぱりいつものが一番」と
定番に戻ってくる人も多いです。
そして、変わり種商品の話題のおかげで、
「思い出してもらいやすさ(メンタルアベイラビリティ)」が上がり、
カップ焼きそばを買おうと思った時に、
「ペヤング」を思い出す人が増えるから、
全体の売上が上がるというわけです。
棚の占有拡大戦略
ちなみに、変わり種商品の狙いはもう1つあります。
せっかく、思い出してもらっても、
店に売っていなければ意味がありません。
そこで、仕入れの担当のバイヤーに目をつけてもらい
「小売店の棚のスペースを確保する」
のを狙っているのです。
店側としては、話題の商品をなるべく置きたくなるので、
変わり種商品を目立つように並べます。
その周りには定番商品も置くでしょう。
こうして、「ペヤング」の売り場面積を少しでも拡大して
「手に入れやすさ(フィジカルアベイラビリティ)」
を上げているのですね。
このような視点で、既存の商品をより多く売るために、
「話題になりそうな新商品」を考えてみると面白そうですね。


