※2021年8月10日配信メルマガVol.136より抜粋(一部加筆修正あり)
目次
「プロセスエコノミー」とは?
「プロセスエコノミー」という言葉をご存知でしょうか?
起業家の古川健介(けんすう)さんという方が名付けられたのですが、
その名の通り、「プロセス自体を売る」稼ぎ方を指していいます。
つまり、製品やサービスをつくる過程や、
製品化・サービス化に至る物語の段階で、
(将来の)お客さんに関わっていただき、
何かしら申し込んでもらったり、課金してもらったりすることです。
直近で有名な事例が、アイドルグループのNiziUが生まれたNizi Projectですね。
昔で言えば、ASAYANというTV番組で生まれたモーニング娘。みたいな感じです。
「クラウドファンディング」もその1つですね。
「アウトプットエコノミー」の弱点
その逆のやり方が「アウトプットエコノミー」で、
「プロセスでは売らずに、アウトプットしたものを売る」
稼ぎ方です。
商品やサービスを開発してから、宣伝広告して売る、
通常行われている商取引の形ですね。
アウトプットされたものは、
たいてい「いいもの」が出来上がり、
似たり寄ったりの製品・サービスが並びます。
さらに「いいもの」を作ろうとするのですが、
よそも「いいもの」を作ろうとするので、
結果的に水準が上がりはするものの、
差別化が難しくなってしまっています。
現在は情報発信者が多いため、
新製品・サービスのリリースを案内しても、
すぐさま数多の類似品の中に埋もれてしまうのですね。
「プロセスエコノミー」が注目される3つの理由
そんな中で、「プロセスエコノミー」が注目されるのは、
3つの理由が挙げられます。
①プロセスは真似できない
1つ目の理由は「プロセスは真似できない」からです。
他者が似たような商品・サービスを出してこないように、
知的財産権を取得することは大切ですが、
「点」にすぎないので、限界があります。
ちょっとした変更を加えることで、
権利侵害をクリアすることは可能ですし、
何より審査に時間とお金がかかるので、
やっと権利取得できたと思ったら、
他者にお客さんが流れていた、
なんてことも考えられます。
一方、プロセスは「線」であり「面」であり「立体」のようなものです。
さまざまな要素が絡み合い、
1つのストーリーでつながっているので、
真似をすることができません。
②開発に必要なリソースやフィードバックを得られる
2つ目の理由は「開発に必要なリソースやフィードバックを得られる」からです。
「アウトプットエコノミー」と違って、
制作過程でお金をいただくことになるので、
製品・サービスに必要な資金をあらかじめ集めることができます。
資金調達できると、製品・サービスの開発に当てられるので、
もっと質の良いものを追求することができます。
また、さまざまな意見のフィードバックをいただいたくので、
それを反映させることで、
より顧客ニーズに沿った製品・サービスを生み出しやすくなります。
③ファンを作りやすい
3つ目の理由は「ファンを作りやすい」からです。
最終的なアウトプットが出るまでの過程に参加している分、
感情移入しやすくなるんですね。
まるで自分が開発に携わっているような感じです。
思い入れが強い分、
いざ製品・サービスが世に出れば、
購入してくれるだけでなく、
自ら進んでSNSなどでシェアしてくれたり、
応援してくれたりします。
そして、購入した人同士でつながり、
一種の連帯感が芽生えて自然にコミュニティが発生します。
ここに、製品・サービス以上の価値が感じられるわけですね。
これからの時代、さらに「プロセスエコノミー」の活用が求められますし、
簡単なことでも実践することはできるので、
ぜひ採り入れて見てはいかがでしょうか。
※参考:「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」(尾原和啓 (著))
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