事業構造を見て、新しい要素を加える

事業構造を見て、新しい要素を加える

※2019年7月9日配信メルマガVol.27より抜粋(一部加筆修正あり)

「ストック型」と「フロー型」

私たち「士業」は、資格により関係する法律や仕事内容はそれぞれ違いますが、
事業構造を大ざっぱに見ると、
基本的に2つの種類に分かれます。

1つは「ストック型」の士業。
税理士さんや社労士さん等、主に顧問契約等に基づいて定期的にお仕事をして、固定的な報酬を得るタイプです。
もう1つは「フロー型」の士業。
司法書士さんや行政書士さん、我々弁理士のように、
個別の依頼を受けて、単発のお仕事をして、その都度報酬を得るタイプです。
弁護士さんなんかは、ストックとフローを両方兼ね備えた「ミックス型」と言えるかもしれません。

「ストック型」と「フロー型」のメリット・デメリット

「ストック型」も「フロー型」も、
それぞれにメリット・デメリットがあります。

まず、「ストック型」のメリットは、なんといっても「継続的に収入が得られる」点です。
一度顧客を獲得できれば、比較的経営が安定しやすいと言えます。
一方で、そもそも単価が低かったり、逆に高単価だとなかなか契約に結びつかなかったりで、
顧客を確保して軌道に乗るまで、ある程度時間がかかる」点はデメリットです。

フロー型」のメリットは、需要さえあれば「割とすぐに収入を得やすい」点です。
低単価であればもちろん、高単価であっても一時的な支出であれば、お客さんも受け入れやすいと言えます。
一方デメリットは、言うまでもなく「収入が継続する性質ではなく、安定しにくい」点です。
また、ストック型に比べると、「他社にスイッチングされやすい」「季節要因や景気、流行に影響を受けやすい」といったデメリットも考えられます。

自社のビジネスモデルと異なる要素を加えよう

こういった事業構造から見たメリット・デメリットを整理すると、
「ストック型」は、「フロー型」の要素を加え
「フロー型」は「ストック型」の要素を加えると、
お互いのデメリットを補えるし、
メリットが掛け算となって、大きく安定的に収益を伸ばすことができるのですね。

ここで、「要素」と言ったのは、すぐに商品・サービスの開発に取り掛かる必要はないからです。
特に小規模の事業体の場合は、商品やサービスを開発して、既存の事業に付け足して新規事業を展開するのは大変です。

まずは、無料(又は低コスト)で手軽にできることに取り組めば良いでしょう。
私の事例で言えば、今年からメルマガを発行しているのもその一つです。
弁理士は「フロー型」の単発事業なので、
お仕事が完了すると、通常はお客様との接点が途切れてしまいます。

そこで、「フロー型」のデメリットを埋めるべく、
何かしら有益な情報を”継続的”に届けたいと思い、
「読まれなくてもいい」ので、週1でメルマガを配信することにしました。
(ちなみに、メルマガ以前はハガキとかも一生懸命書いていましたが、
相手にとってはゴミと思われるかもしれない(悲)ので辞めました。)

「読まれなくてもいい」というのは、
「なんかサムライツからメール来てるな」と、
お客さんの脳みそのどこかに入っていればいいからです。
すると、需要が生じた時に、弊所を思い出していただき、
新しいご相談をいただいたり、お客様をご紹介いただいたりできるのです。

そういう中から、お客さんから「こういうことできないかな?」「こういうのが欲しいんだけど…」といったリクエストが生まれることがあります。
その時に初めて、商品化・サービス化を検討すれば良いでしょう。
すでに需要がはっきりしてるわけですから、
開発もしやすく、売り先もあるため、成功しやすいのです。

「ストック型」の士業なら、何か単発でできる補助金・助成金申請支援とか、
事業計画書の作成支援とかもありますね。

士業でなくても、いろんな業種で応用できる考え方なので、
ぜひ試してみてください。

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