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あなたは「日本酒」がお好きですか?
私は3年くらいほぼお酒を飲んでいませんが、
以前飲酒していた時は、お酒の中で一番好きなのが「日本酒」でした。
そこまで詳しくはないのですが、
飲み屋に行けば必ず頼むほどでしたね。
地理的表示(GI)
しかし、この「日本酒」という名称、
無条件で使用することはできないのをご存知でしょうか?
「日本酒」というのは、「地理的表示」といって、
法律で決められた名称なんですね。
つまり、法律上の条件を満たした場合のみ、
「日本酒」を名乗ることができるのです。
ちなみに「地理的表示」は、英語で”GI (Geographical Indication)”とも言います。
「日本酒」の条件
では、どういうものが「日本酒」を名乗れるのかといいますと、
原料が「国内産米を用いた米及び米こうじ」で、
製造した地域が「日本国内」で、
製造方法が、酒税法第3条第7号に規定する「清酒」であること
これが条件になります。
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/minaoshi/pdf/chiritekihyoji.pdf
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/chiri/ichiran.htm
酒税法に規定する「清酒」というのは、
ちょっと読み上げる時間はありませんが、
かなり細かく定義が決められています。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sake/2-02.htm
ちなみに、水については指定がないので、
定義上は、外国のお水を使ってもいいということになります。
したがって、例えば、外国産のお米を使用した清酒や、
日本以外で製造された清酒が国内市場に流通したとしても、
「日本酒」と表示することはできません。
「日本酒」は「清酒」の一種ではあるけど、
「清酒」が全て「日本酒」というわけではないのですね。
なぜこのようなことになっているかというと、
「日本酒」と表示されたものが、高品質で信頼できる日本のお酒であることを、
海外に対してアピールするためです。
つまり、「日本酒」のブランド価値を高め、輸出につなげようという国策で、
国の地理的表示として指定されました。
2015年12月に指定されたので、まだ5年ちょっとですね。
日本酒の輸出総額はこの10年で約3倍の伸びとなっていますが、
2015年はちょうど、海外で日本酒が人気になり始めた時期と重なっています。
https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/attach/pdf/sake-5.pdf
そういった取り組みの甲斐もあってか、
海外での日本酒ブームはまだまだ健在といったところです。
外国での呼び名
そんな海外では「日本酒」のことを、
“Japanese SAKE”あるいは”Nihonshu”と呼びます。
単に”SAKE”は、「清酒」のこと。
これは海外でお酒のビジネスをしたい人は、
覚えておいた方が良さそうです。
つまり、前述の定義に照らして見れば、
海外で作った清酒は”SAKE”だけれども、
“Japanese SAKE”ではないということになります。
もし、あまり美味しくない清酒を、
“Japanese SAKE”としてしまったら、
日本や日本酒に対するよくないイメージがついてしまいますよね。
政府としてはそれは困るので、
名称を使用できるケースを厳密に定義しているというわけです。
海外のお酒の地理的表示
ちなみに海外では、
ヨーロッパのワインの「原産地呼称制度」など、
もっと古くから地理的表示を保護する制度があります。
例えば、「シャンパン」という名前は、
フランスのシャンパーニュ地方で生産された発泡ワインであることを示す地理的表示です。
したがって、日本で生産した発泡ワインを「シャンパン」と呼んではいけないのです。
こう考えると、商品やサービスに名前をつけるのって、
いろんな権利や保護制度と隣り合わせで、
下手につけることができないんだな、
ということがわかるかと思います。
もちろん、以上の話は、
お酒を作ったり、提供したりされる方にとって常識だと思いますが、
それ以外の方も、お酒の席とかで、こういううんちくを語ることができれば、
尊敬されたり、モテたりするかもしれません。
※配信時点の判例通説等に基づき、個人的な見解を述べています。唯一の正解ではなく、判断する人や時期により解釈や法令自体が変わる場合がありますので、ご注意ください。
