小さなミスや不満・不便に対するアンテナを張る

小さなミスや不満・不便に対するアンテナを張る

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京都の保津川下りで船が転覆して、
船頭さんが亡くなった痛ましい事故がありました。
(謹んでお悔やみ申し上げます。)

保津川下りと言うのは、
京都の亀岡から嵐山に向かって、
「保津川」、正式名称「桂川」を船で16km下っていく
世界的に有名な観光のイベントです。

自然の美しさと、川下りのスリルを味わえるということで人気で、
私も以前、保津川下りをしたことがあるのですが、
結構急な流れをエンジンのない船で下っていくんですよね。
しかもその時に、ライフジャケットを着用した記憶がありません。
腰に何か巻いていたかもしれませんが、
安全性大丈夫なのかな?と思いながらスリルを味わったことを覚えています。

今回の事故の原因は、操船ミスがあったみたいで、
しかも無線も積んでなかったとか、
いろんな悪い要素が重なってしまったようです。

ただ、操船ミスというのは、
過去にもたくさん起こっているはずで、
実際に事故も起きています。

ということは、
おそらく事故にならない程度のアクシデントも、
相当な数あったと思うんですね。

工場の労働災害の有名な法則に
ハインリッヒの法則」というものがあって、
1:29:300の法則」とも言うのですが、
1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の事故には至らないアクシデントがある
と言われています。

損害保険会社に所属する統計分析の専門家である
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんが
今から90年以上前の1931年に提唱しているんですけど、
工場だけではなく、いろんな仕事の現場に当てはめて、
リスクマネジメントの重要性を説く際に使われています。

特に、300件の事故には至らないアクシデントのことを、
ヒヤリとしたり、ハッとしたりすることから、
ヒヤリ・ハット」とも言います。

この「ヒヤリ・ハット」をいかに見逃さないか、
そしてチームに共有して、事故が起こらないように対策するか、
がとても重要ですよね。

単純計算では、「ヒヤリ・ハット」を300回も繰り返さないと、
1回の重大な事故に繋がらないように思えますが、
サイコロの目と同じように考えると、
実際には、何回目で重大な事故に至るかというのはわからないわけです。
だから、なるべく一度起こった「ヒヤリ・ハット」は、
その都度解決策を講じていくことが大事になります。

で、今は副業とかも含めて、個人でビジネスをする人が増えているんですが、
組織で働いている場合に比べると、
「ヒヤリ・ハット」から対策を講じることへの意識が甘くなりがちではないかな?と思ったんです。
そもそも、「ヒヤリ・ハット」を共有してくれる他のメンバーがいないため、
自分の意識を高めて拾っていかないといけないですよね。

そして「ヒヤリ・ハット」は、
何も本当にヒヤッとしたり、ハッとしたりするミスだけではなく、
お客さんから出た何気ない一言で、
「ちょっと引っかかるな」とか「もしかしてこの点で満足してないのかな」とか
「不便を感じさせているかも」
ということも含めて考えるのがいいと私は思います。

はっきりと「ここがダメです」って言ってもらえるとわかりやすいのですが、
なかなかはっきりと言ってくれる人は少ないですよね。

なので、そういう小さなミスや、不満や不便のフィードバックを得られるような工夫をしたり、
自分で気づけるようにアンテナを張ったりすることで、
お客さんが離れていったり、
お客さんに不利益とか損失を与えてしまったりすることを
防ぐことができるんじゃないでしょうか。

私自身、そこに目をつぶって自己満足で仕事しないように、
気をつけていきたいと思います。