ハズキルーペが広告費に100億円かけた意外な理由

ハズキルーペが広告費に100億円かけた意外な理由

「サムライツ®」代表の保屋野です。

@DIME(アットダイム)という小学館が運営するウェブメディアで、
ハズキルーペの会長のインタビュー記事が面白かったので、
ご紹介をさせていただきます。
https://dime.jp/genre/654846/

タイトルには
「ハズキルーペ会長が明かす、広告費に100億円かけた〝本当のワケ〟」
と書いてあったのですが、
この「本当のワケ」ってなんだと思いますか?

当然、全国的な認知を獲得することで、販売網を構築するということもあるのですが、
もう1つ意外だったのが、
模倣品を排除するため」なのだそうです。

たくさん広告を打って広く知られると、
当然、模倣品が増えてきます。
そこでさらにインパクトのある広告を打ち続けることで、
裁判官から見ても「ハズキルーペを知っている」
という状態にすることができるのですね。

そうすると、仮に意匠権や商標権といった、
知的財産権の権利が切れてしまっても、
不正競争防止法という法律をつかって
模倣品を排除できる可能性が出てくるというのです。

不正競争防止法では、
広く知られている(周知・著名)商品の表示」となった場合に、
それを他人が使うとお客さんが混同してしまうため、
無断使用を差し止めることができるんですね。
(不競法2条1項1号,2号,3条)

実際に、「ハズキルーペ」は広く知られていることが認定されて、
これまでに140以上のコピー業者を排除することに成功したそうです。

広告費をかけるというのは、
市場を拡大して攻めているように見えるけど、
実は守りにもなっていたというわけですね。

粗悪な模倣品を放置してしまうと、
間違えて購入したお客さんに大きな損害を与えてしまいます。
商品によっては、健康被害や命にかかわることもあるかもしれません。

ブランド価値を守るためには、
意匠権や商標権といった、知的財産権の取得の他、
積極的な宣伝広告による認知度獲得
というのも、有効な手段になりますね。