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前々回の投稿で、
「自分が購入したアートでも、
YouTubeとかSNSに載せるのは著作権侵害になるのか?」
について解説をしました。
でも、動画とか写真を撮影をしていて、意図せず偶然に、
誰かのアートとか、漫画・アニメのキャラクター画像が載ったポスターとかが
カメラに映り(写り)込んでしまうことってあると思うんですよね。
その場合に、YouTubeとかTwitterとかのSNSに載せる場合も、
果たして著作権侵害になってしまうのでしょうか?
形式的に見れば、他人の著作物を許可なくカメラで映して(写して)、
それをネットに載せる行為は、複製権と公衆送信権の侵害に該当します。
じゃあ動画編集でモザイクかけたりカットすべきなのか?
そうだとするとかなり面倒臭いし大変じゃないですか。
なので、今回はこの疑問についてお話しします。
結論としては、
メインで撮影している被写体に、おまけぐらいに付随して映り(写り)込んでいるもの(アートとかアニメ画像のポスター等)については、軽く映って(写って)いる程度で、正当な範囲内なら、問題ありません。
つまり、そのまま映った(写った)ままで、モザイクとかで編集する必要はないんですね。
ただ軽くってどのくらい?とか、正当な範囲ってどんな範囲?というのが抽象的なので、
この点を深堀していきます。
まず、該当する著作権法の条文は第30条の2です。
条文が非常に読みづらくてわけわからないと思うので、
ここから特に関係するところだけ抜き出して、端折りながら説明しますね。
先ほど「軽く」としたのは、
条文上は「軽微な構成部分」と表現されています。
じゃあ「軽微な構成部分」は、メインの被写体の中のどれくらいなのか?
ということですが、ぶっちゃけ言うとケースバイケースです。
ケースバイケースですが、判断基準としては、
映り(写り)込むアートとかの著作物の占める割合や、
実物をどれくらいの精度で再現しているのかなど、
さまざまな要素に照らして判断されます。
例えばYouTuberの人が1~2割で、映り(写り)込む著作物が8~9割ぐらいの割合だったら、
どう考えても軽微とは言えないからアウトじゃないですか(私見)。
諸説あると思いますが、個人的には、
映り(写り)込みの割合はせいぜい1,2割以下なんじゃないかなと思います(私見)。
ただ別に定量的に決まりがあるわけではないので、
1,2割であっても存在感があると厳しいかもしれませんね(私見)。
それから、「正当な範囲内」とはどの範囲かですが、
その映り(写り)込む著作物について
・利益を得る目的があるかどうか
・メインの被写体から分離するのがどれくらい難しいのか
・メインの被写体においてどんな役割を果たしているか
などなどの要素から判断されます。
まず、映り(写り)込むアートとかアニメの画像の著作物によって、
再生数を上げるとか、視聴者維持率を高めるとか、
インプレッションを増やすとか、
自分と関係があるかのように見せかけるとか、
そういう邪な気持ちがあると正当な範囲とは言えません(私見)。
権利侵害になるので、編集で削除する必要があります。
また、分離の難しさについてですが、
映さなくて(写さなくて)も特に問題ないのに、
意図的に映して(写して)いるような場合も正当な範囲とは言えないのではないかと考えられます(私見)。
YouTube内では絵が写っていますが、
わざわざ映さなくても、内容を伝えることはできますよね。
ちょっと撮影角度を変えれば、分離できます。
したがって、こういった映し方は許可がないとNGですので、
私は許可をいただいて撮影しています。
一方で、こちらのYouTube内で私が来ているTシャツ、
実は某ネズミの有名キャラクターがプリントされたTシャツなんですが、
こちらは今回の撮影でネタにするために意図的に着てきたものなんです。
こういう意図で着ているものも、本当は映ってはいけないと思うんですよね。
なので、耳だけしか映らず、
なんのTシャツかわからないように、
撮影の角度に気をつけています。
さすがにD社に許可をもらえないので。
これがたまたま着ていて、撮影してる時に映っちゃったというのは、
大丈夫だと考えられます。
ということは、撮影に行った場所にたまたま著作物があって、
意図せず映って(写って)しまったような場合や、
他の人の所有物だったりして勝手に取り外しできない、
でもどうしても撮影場所で映って(写って)しまうような場合も、
正当な範囲と言えるのではないでしょうか。
さらに、メインの被写体や撮影内容との関係で重要な役割を果たすようなケースは、
正当な範囲とは言えません(私見)。
例えば、アートの紹介動画でそのアートを無断で映すとか、
この映画見にいきましたといって、撮影対象としてポスターをドーンと映すとか、
サムネに使うために写すとかは、
引用の範囲を超えるようならNG、つまり形式的には著作権侵害となると思われます。
そう考えると、世の中著作権侵害だらけだと思いませんか?
でも、大して問題にならないことが多いのは、
権利者側が問題にしていないか、気づいていないだけです。
法的にOKというわけではなく、いちいち問題にするほどでもないし、
作品が知られるきっかけになるから、権利者側のメリットになることもあるからということなんですね。
最後に「著作権者の利益を不当に害する」ような場合はNGです。
ここは気をつけていただきたいですね。
流石に利益を害する場合は、
訴えられたり、逮捕されたりする可能性があるからです。
著作権を侵害した画像を有料で販売するとか、
有料のコンテンツに使うとかですね。
こういうのはニュースとかでも報道されるので、
気をつけていただければ幸いです。