※2024年6月11日配信メルマガVol.284より抜粋(一部加筆修正あり)
セブン-イレブンの名店監修シリーズが急増中
セブン-イレブンへ行くと、
飲食店の名店の監修がついた商品が販売されているのが目につきます。
例えば、
千葉県松戸のラーメン店「中華蕎麦とみ田」が監修した「とみ田監修デカ豚ラーメン」や、
神田の洋食店「ルー・ド・メール」が監修した「欧風ビーフカレー」、
京都祇園の米料亭「八代目儀兵衛」が監修した「おむすび」など、
名店の味が基となった商品が手軽に買えるとして、
人気を博しています。
中には、ミシュランに掲載されたレストランや、
いつも行列でなかなか入店できないお店の監修商品もあって、
その力の入れ具合に驚きですよね。
名店監修商品を販売する表の目的:ブランド×売上
ではどのような目的で、
このように本格的な監修商品をたくさん発売しているのでしょうか?
まず、名店が持つ既存のブランド力を使って、
より多く売上を上げるため、
という目的が真っ先に頭に浮かびます。
従来、コンビニは「近くにあったから」
といった理由で来店することが多いですが、
名店の監修商品があると、
その「ブランド目当て」で来店する人が出てくるのですね。
監修する側の飲食店も、
「監修」という立場で関わる以上、
自店の味が守られているか、
低品質でブランドを毀損するものではないか、
チェックが厳しくなります。
これにより、品質も担保されるわけなので、
消費者としても期待して商品を買い求めることになるのです。
監修した飲食店側でも
「セブン-イレブンで監修商品が発売となりました」
と宣伝してくれるので、
二重の宣伝効果があります。
裏の目的:商品開発力のブートキャンプ
しかし、これは誰もが思いつく表の目的。
裏の目的は、別のところにあります。
それは、
「自社商品の開発力を鍛えるため」
です。
監修を得ることで、飲食のプロから
原材料の調達から製造方法など、さまざまなノウハウを学んで、
その技術力を、自社の商品開発に活かしているのです。
現に、セブン-イレブンのPB商品はとても美味しいものが多いと思いませんか?
この点「コラボ」ではなく「監修」とするのも理由があり、
一過性の話題にするのではなく、
長期的な目線で、より厳しく品質に向き合うためなのですね。
そもそも、食材に使える原価も限られているし、
調理してその場で提供される飲食店とは違って、
コンビニの棚にしばらく陳列されます。
すなわち、その後に買って食べても美味しくなるように工夫されているんですね。
つまり、コスパをギリギリまで追求する必要があり、
飲食店のメニュー開発以上に大変な技術が必要です。
名店が監修に協力するメリット
ちなみに、監修側とすると、開発協力の手間に比べれば、
大した監修料はもらえないし、
マージンがあってもそこまで爆発的に売れるというものではないはずなので、
あまりメリットはないように思えます。
しかし、コンビニでお金をもらいながら宣伝してもらっていると考えれば、
なかなかメリットもあるので、
監修に協力する店が絶えないのですね。