【商品開発のコツ】「未知の属性」から「新しい用途」を見つける

【商品開発のコツ】「未知の属性」から「新しい用途」を見つける

※2019年6月11日配信メルマガVol.23より抜粋(一部加筆修正あり)

「液体のり」が「白血病」治療研究の救世主に?!

先日、東京大学医科学研究所の山崎聡特任准教授の研究チームにより、
「液体のり」が白血病研究に役立つことが発表され、大きな話題になりました。
我々がよく使っていた「アラビックヤマト」が注目を集めていましたね。
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0530/blnews_190530_7458910050.html

血液疾患の治療に重要な役割を果たす造血幹細胞の培養液として、これまでウシの血清成分などが使われてきましたが、非常に高価であることがネックでした。
そこで、液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を用いたところ、
安価に細胞老化を抑制した造血幹細胞の増幅が可能になったそうです。
「液体のり」と「白血病」
なかなか結びつかない組み合わせですが、よく発見されたなと思いました。

既存の物の「未知の属性」から「新しい用途」を見つける

こういった、既に世の中に知られている物の「未知の属性」を発見し、
その属性に基づいて「新しい用途」を見出して創作される発明のことを、
用途発明」といいます。
今回で言えば、既に知られている、液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)の、
造血幹細胞を増幅させるという「未知の属性」を発見し、
培養液としての「新しい用途」を開発することがあたります。

普通、既に世の中に知られている物は、特許の対象にならないのですが、
その分野で通常の知識を有する者でも、簡単には思いつかない「用途発明」であれば、
特許になる可能性
があるのです。
(本件が特許出願してるかどうかは不明)

「部屋が汚い」旅館の「新しい用途」とは?

特許の対象とするかは別として、
このように、既存の商品・サービスの「未知の属性」を発見し、
「新しい用途」を開発すること自体は、
化学以外の分野でも応用可能な考え方だと思います。

例えば、高タンパクで低カロリーな「サラダチキン」は、
ダイエット目的で買う人が多いですが、
味付けが薄く、お腹も満たされることから、
実はペットフードとしても用いられています。

サービスの分野でも、
部屋が汚い」と宿泊からクレームを入れられるような古い旅館が、
改装費用もなく途方にくれていたところ、
ペットと一緒に泊まれる」
というサービスを開発して、
リピーターが増えて経営が安定したそうです。
まさに、「汚い」という隠れた属性から生まれたアイデアだったわけですね(笑)

既存の市場自体が縮小しているような場合は、
新しい用途」で付加価値をつけて、新しい市場へ展開することが特に有効なので、
アイデアを出してみると良いかもしれません。

※参考
https://www.amed.go.jp/news/release_20190530.html

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