ポッキーの製造設備について、あえて特許を取らなかった理由

ポッキーの製造設備について、あえて特許を取らなかった理由

※2022年6月7日配信メルマガVol.179より抜粋(一部加筆修正あり)

ギネス記録にもなったグリコの「ポッキー」

江崎グリコの「ポッキー」といえば、
細長い棒状のビスケット(クッキー)の上に、
チョコレートがコーティングされているのが特徴的なロングセラー商品。

2cmほど空いたいわゆる”持ち手”部分にはチョコがコーティングされていないため
手を汚さずに食べられるという、
食べやすさも兼ね備えたお菓子です。

1966年の販売開始から55年以上、
国内外で販売されていて、
2019年に世界で最も売れたチョコレートでコーティングされたビスケット
(約5億9000万ドル)として
ギネス世界記録にも認定されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP541614_T11C20A0000000/

ポッキーの”持ち手”部分はアレがヒントだった!

そんなポッキーの”持ち手”部分ですが、
何がヒントで誕生したかご存知ですか?

どなたも一度は食べたことがあるであろう、
居酒屋のメニュー。

そう、「串カツ」だそうです。
ソースにつけて食べる、あの「串カツ」です。
江崎グリコが大阪の企業であることから、
なるほどという感じですよね。

“持ち手”は技術とノウハウの塊

あの”持ち手”は、江崎グリコが独自で開発した製造機械で作られているのですが、
実は相当な技術とノウハウが詰まっているそうです。

機械による大量生産で、
あれだけ細いビスケットに
“持ち手”部分を残してチョコレートをコーティングするのは、
少しでも力が加わると、折れてしまうことから、
なかなか難しいことなんですね。

ビスケットが割れないように、
何度も試行錯誤と改良を重ねながら
多額の費用をかけて
ようやく誕生したのが、
“持ち手”を備えた、食べやすいポッキーなのです。

ポッキーの製造設備について、あえて特許を取らなかったのは?

そして、そんな苦労をして開発したポッキーの製造設備は、
あえて特許を取らずに営業秘密化し、
門外不出のノウハウになっています。

特許は、独占的な権利であるものの、
内容が一般に公開されてしまうため、
国内外の同業他社が簡単に真似できてしまいます。

特許権侵害を訴えるにしても、
その製造方法が同社の特許技術を使っていることを、
わざわざ立証しなければなりませんから、
特許を取得しても、労力に見合った効果が得られにくいんですね。

だったら、世の中に一切公開しないようにしよう…
ということで、ノウハウとして秘匿化しています。

事実、江崎グリコの工場見学施設では、
この“持ち手部分”以外にチョコレートがけをする工程が、
企業秘密ということで隠されている
そうです。

あえて特許を取らない戦略も選択肢に

このように、仮に特許を取ったとしても、
権利行使が難しい場合
には、
あえて特許を取らないというのも戦略です。

たまに、商標専門でやっている弊所にも、
「〇〇の製造方法について特許が取れないか?」
とのご相談をいただくのですが、
こういった「特許のマイナス面」をお伝えして、
その上で特許出願するかどうか、
判断いただくことにしています。

特許を取る、商標権を取る、
一見マイナスがないように思えますが、
その裏のリスクについても、
認識する
ことは大切ですね。

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