調剤薬局の屋号(薬局名)やロゴを商標登録したいとき、いちばん迷うのが「第35類?第44類?第5類?」問題です。
結論からいうと──
調剤薬局は「第44類(調剤・医療系サービス)」と「第35類(小売サービス)」が軸になります。
そこに、事業の実態(在宅・EC・PB商品など)に合わせて必要な区分を足していくのが実務的です。
目次
1. まず押さえるべき“基本の2本柱”
(1)第44類:調剤・医療に関する役務(サービス)
調剤薬局のコア業務である 「薬剤師による調剤」 は、基本的に 第44類 の領域です。
- 例:「薬剤師による医薬品の調剤」
- 例:服薬指導など、医療に密接なサービス(※指定役務の書き方で調整)
「薬局としての名前(屋号)を、調剤サービスのブランドとして守りたい」なら、まずここが中心になります。
(2)第35類:医薬品等の小売・卸売サービス
調剤薬局は、実態として OTC、衛生用品、健康食品、化粧品等を“売る” 場面も多いですよね。
この「売るサービス(小売)」は 第35類 で押さえるのが基本です。
- 例:「医薬品の小売又は卸売に関する業務」
- 例:「サプリメントの小売又は卸売に関する業務」
- 例:「化粧品の小売又は卸売に関する業務」
ポイントは、第35類は“商品そのもの”ではなく“販売サービス”を守るということです。
「○○薬局オンラインストア」「○○ドラッグ」など、販売チャネルのブランドを守るのにも相性が良いです。
2. 第5類は“薬局名”の登録に必須ではない(ただし例外あり)
「医薬品だから第5類も必要?」と聞かれがちですが、結論はこうです。
- 薬局名(屋号)を“薬局サービス”として守る目的なら
→ 第44類+第35類が中心で、通常は足ります。 - 自社ブランドの医薬品・医薬部外品・サプリ等(PB商品)を出す/出しているなら
→ 商品ブランドとして第5類(+内容により他類)も検討価値が高いです。
つまり第5類は、「薬局という“場”の名前」ではなく、
“モノ(医薬品等)に付けるブランド名”を守りたいときに効いてきます。
3. 事業形態別:よくあるおすすめ構成
① 調剤中心(地域のかかりつけ薬局)
- 第44類:調剤(必須寄り)
- 第35類:医薬品等の小売(OTC等を扱うなら検討価値大)
② OTC・物販も強い(ドラッグ併設、健康サポート型)
- 第44類:調剤
- 第35類:医薬品・サプリ・化粧品等の小売サービス(柱なら強く推奨)
③ 在宅・訪問(在宅患者対応を前面に出す)
- 基本は 第44類(調剤) を中心に設計
- 併せて、第35類(物販・販売サービス)が実態として大きいなら追加
④ 自社PB(サプリ・衛生用品・医薬部外品など)も展開
- 第44類:調剤(屋号の防衛)
- 第35類:販売サービス(店舗・EC)
- 第5,10類等:PB商品のブランド(商品内容に合わせて)
4. 「区分」より大事なのは“指定役務の書き方”
同じ第44類でも、指定役務をどう書いたかで実務上の使い勝手が変わります。
- 第44類:調剤の軸(薬剤師による調剤 など)
- 第35類:販売の軸(医薬品/サプリ/化粧品等の小売又は卸売に関する業務 など)
「区分は合っているのに、指定の書き方が事業実態とズレていて守りづらい」
が、薬局分野ではわりと起きがちです。
5. 最後に:判断のしかた(超シンプル)
迷ったら、この2問でだいたい整理できます。
- その名前は“調剤(服薬指導含む)”の看板として使っている?
→ YESなら 第44類 を中心に - その名前は“OTCや健康商品を売る店”としても使っている?(店舗・EC含む)
→ YESなら 第35類 もセットで検討
そして、PB商品までやるなら、商品名として 第5類(等) を追加検討、という順番です。
まとめ
- 調剤薬局の基本は「第44類(調剤)」+「第35類(小売サービス)」
- 第5類は“薬局名”の必須ではなく、PB商品・商品ブランドがあるときに効く
- 「区分」より 指定役務(指定の書き方) が実務で効いてくる
必要なら、薬局の業態(調剤中心/OTC強い/在宅/EC/PBあり)を前提に、
“屋号を守る最小構成”と“将来展開込み構成”の2パターンで、指定役務の設計例まで落として提案できます。
