「日本ネーミング大賞2025」に学ぶ——名前が“社会課題を動かす”時代へ

「日本ネーミング大賞2025」に学ぶ——名前が“社会課題を動かす”時代へ

中小企業こそ、ネーミングをブランド戦略の中心に

今年の「日本ネーミング大賞2025」で大賞を受賞したのは、花王ロリエのプロジェクト名 職場のロリエでした。
https://j-naming-award.jp/award2025/

ナプキンを“職場の備品”として設置する取り組みですが、選考委員からは

  • 「素朴でまっすぐ。だから社会が動く」
  • 「“会社”ではなく“職場”。誰のためのプロジェクトかが明確」
  • 「女性首相誕生の年にふさわしい象徴的ネーミング」

といった評価が寄せられました。

実際、導入企業はすでに 550社超
ネーミングが単なる名前ではなく、社会課題へのアクションそのものを示すメッセージとして機能した好例です。


ネーミングは“企業姿勢”を最短距離で伝えるツール

「職場のロリエ」が評価された背景には、
名前そのものがプロジェクトの目的・立場・価値を完結に語っている点があります。

中小企業こそ、この考え方が重要です。

  • 説明せずとも“何をする会社か”が伝わる
  • 共感が広がれば広告をかけずとも認知が伸びる
  • サービスの価値が言語化され、営業・採用にも効く

良いネーミングは、最小投資で最大のPR効果を生むブランド資産になります。


2025年の受賞傾向から見える潮流

他の受賞を見ると、今年は次のトレンドが顕著でした。

  • 時代を超えて評価されるロングセラーブランド(ICOCA、瞬足、アイスノン、シヤチハタ)
  • 地域性とストーリーが強いネーミングの台頭(世界の山ちゃん、矢場とん)
  • 強い印象を残すユニークワードで勝負する中小企業(ミルクの束縛、冬の入道雲)

共通点は、「商品説明」ではなく
“ブランドの世界観”を伝えるネーミングが選ばれていること。

機能を伝える名前から、共感や価値観を伝える名前へ。
ネーミングの役割そのものが変わりつつあります。


ネーミングは商標で守ってこそ資産になる

良い名前ができても、商標で守らなければ模倣され、ブランド価値は簡単に失われます。

中小企業が押さえるべき基本は次の3つ。

  1. 候補段階から商標リスクをチェックする
  2. 事業の将来性を踏まえて指定商品・役務を設計する
  3. ネーミングを“企業の主張”として戦略的に運用する

今回の「職場のロリエ」は、
ネーミングが社会を動かし、共感を生み、行動を促す時代であることを示しました。
もちろん、商標登録済み(登録第6654890号)です。

中小企業こそ、ネーミングの力をもっと活用できることでしょう。


あなたの会社の“伝わる名前”を設計しませんか?

  • 事業内容は伝わりにくくないか
  • ネーミングが機能説明に留まっていないか
  • 商標面のリスクを把握できているか

こうした課題を整理するだけでも、ブランド価値は大きく変わります。

必要であれば、
ネーミング案の壁打ち・商標調査・区分設計(指定商品・役務の選定)まで一括でお手伝いできます。

気軽にご相談ください。

※参考:「日本ネーミング大賞2025」受賞作品一覧

日本ネーミング大賞・「職場のロリエ」…花王株式会社
https://j-naming-award.jp/award2025/no1/
優秀賞・「One CUP」…大関株式会社
・「瞬足」…アキレス株式会社
・「ICOCA」…西日本旅客鉄道株式会社
・「ほっかほっか亭」…株式会社ハークスレイ、株式会社ほっかほっか亭総本部
・「職場のロリエ」…花王株式会社
ルーキー賞・「冬の入道雲」…古谷乳業株式会社
・「ミルクの束縛」…古谷乳業株式会社
・「和小麦」…敷島製パン株式会社
地域ソウルブランド賞・「Willows ウィロウズ」…株式会社青柳総本家
・「世界の山ちゃん」…株式会社エスワイフード
・「つけてみそかけてみそ」…ナカモ株式会社
・「矢場とん」…株式会社矢場とんホールディングス
審査委員特別賞・「N高等学校」…学校法人角川ドワンゴ学園
・「オルファ」…オルファ株式会社
レジェンド賞・「アイスノン」…白元アース株式会社
・「シヤチハタ」…シヤチハタ株式会社
・「養命酒」…養命酒製造株式会社