特許だけじゃ足りない:技術を商標でブランド化する理由と成功事例

特許だけじゃ足りない:技術を商標でブランド化する理由と成功事例

※2025年2月18日配信メルマガVol.320より抜粋(一部加筆修正あり)

「技術を商標でブランド化」すべき3つの理由

何か技術を開発した場合に、
特許権を取得することは検討するのに、
商標権を取得することが頭から抜け落ちてしまっている会社をよく見かけます。

技術について商標権を取得するというのは、
要するに「技術をブランド化する」ということです。

そこで、「技術をブランド化する」ことの3つのメリットについて考えてみます。

①他の製品・業界にも展開しやすい

日本の企業は、どうしても「製品」を主体に考えてしまう傾向がありますが、
「製品」単位で考えると、せっかくの技術が単一の製品に採用されて終わってしまいがちです。

一方、「技術をブランド化する」と、
その技術を使って他の様々な業界や製品に展開しやすくなるメリットがあります。

1つの技術を複数の市場に展開できれば、
それだけ多くの顧客を獲得できますし、
その技術のファンを作ることもできます。

例えば、シャープの「プラズマクラスター」は、
空気清浄機への採用に始まり、
エアコンや冷蔵庫、洗濯機やドライヤーなどにも搭載されています。

それらの製品には、
「プラズマクラスター」の技術名称と、
ブドウのようなロゴマークが付けられ、
青いLEDのランプが点灯するようになっていて、
お客さんにとっての目印となっています。

「プラズマクラスター」のブランド名が認知されているので、
新商品も売れやすい
ですし、
ファンは他の同業他社の商品と比較することなく
1番に選択して買ってくれる
ようになるんですね。

②価格競争に巻き込まれにくくなる

技術力の証として、技術ブランドが確立されると、
「価格」ではなく「価値」で勝負できるようになります。

したがって、他社もその技術に魅力を感じるようになり、
「その技術を使わせてもらえないか?」とライセンスの引き合いが来たり、
共同開発のオファーが来たりするチャンスが増えます。

当然、自社だけでビジネスをするよりも
ビジネスは速い速度で大きく拡大
していきます。

例えば、防水透湿性素材の「ゴアテックス(GORE-TEX)」は、
普通の防水素材と比べて高価格ではあるものの、
「ゴアテックスなら信頼できる」という理由で選ばれています。

「ゴアテックス」を使った商品は指名買いされやすく
値下げ競争に巻き込まれず高い利益率を維持することができるので、
多くの会社に採用されています。

③企業の信頼性・ブランド価値が向上する

確立された技術ブランドがあることで、
「この企業は技術力がある」と認識されやすくなります。

そうすると、企業自体の評価が上がり
BtoBやBtoC両方で信頼されやすくなるメリットがあります。

例えば、世界最大のCPUメーカーであるインテルは、
「Intel Inside」(日本では「インテル入ってる」)と称して
「このパソコンにはインテルの製品が入っていますよ」
ということを端的に伝えるメッセージを発信しています。

このコピーにより、「インテルのCPUを使っている=高性能」というイメージを
消費者やPCメーカーに与えている
わけです。

今すぐできる実装手順(ネーミング→出願→運用)

以上より、「技術のブランド化」には大きなメリットがあるので、
技術を開発した場合には、具体的な製品に落として頑張る前に、
技術そのもののブランド化を狙って知名度を上げる方法を考えることをお勧めします。

そのためには、
1.技術名にオリジナルの名前をつける
2.商標出願(登録)する
3.ロゴやキャッチコピーと一緒に一貫したブランディングを行う
という流れが大切ですね。

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