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名前ひとつで、検索されるか・されないかが決まる時代
新しいブランドやサービスを立ち上げるとき、「どんな名前にするか」は非常に重要なテーマです。
たとえば…
- 名前を覚えてもらえない
- 検索されない・見つけてもらえない
- 商標登録しようとしたら他人に先に取られていた
このような失敗を防ぐには、「検索されるネーミング」と「商標登録しやすいネーミング」を同時に考える必要があります。
この記事では、商標専門弁理士が、検索されやすく、保護されやすい名前のつくり方を具体的に解説します。
指名検索とは?なぜ重要なのか
「この前SNSで見かけたあのお店、なんて名前だったっけ?」
「”●●整体 名古屋”って検索したけど、出てこない…」
こんな経験、誰しもあるのではないでしょうか。
いまや、「サービス名+地域名」や、「ブランド名そのもの」で検索される(=指名検索)ことが、集客の最初の一歩になっています。
つまり、名前が覚えられない・検索しにくいだけで、機会損失が生まれるのです。
指名検索されるネーミングの条件
✅ ① 覚えやすい:思い出せなければ検索もされない
- 長すぎる・言いにくい・似た名前が多いと忘れられる
- 4〜6文字程度で、語感がよく、リズムがあるものがおすすめ(例:「ユニクロ」「ソフトバンク」など)
✅ ② スマホで入力しやすい:めんどくさいと調べられない
- 漢字や、濁点(半濁点)・拗音(ゃ、ゅ、ょ)・促音(っ)、アルファベットなどが多いとスマホ入力がストレスに
- カタカナ・ひらがなは比較的入力しやすくおすすめ
✅ ③ 独自性がある:他と被らない・埋もれない
- 一般名詞や説明的名称、よくある名前は埋もれる(例:「フラワー」「ライフデザインコーチ」「アシスト」など)
- 造語やひねりの効いた組み合わせが有利(例:「鼻セレブ」「冷えピタ」など)
弁理士が勧める、ネーミングの基本戦略
✅ ベストなのは、「馴染みのある言葉+やや引っかかる造語」
- 親しみやすさと記憶の残りやすさを両立(例:「ホットペッパー」「スリムドカン」など)
- 完全な造語だと、登録はしやすいものの、イメージがしづらいので記憶に残らない
✅ カタカナ・ひらがなが強い。英語なら略称を
- 日本語話者には、ひらがな・カタカナの方が読み・入力しやすい(例:「ちいかわ」「メルカリ」など)
- 英語にする場合は、3〜4文字程度だと、検索しやすく指名検索にも強い(例:「DHC(元は『大学翻訳センター』)」「YKK(元は『吉田工業株式会社』)」など)
商標登録しやすい名前の条件
✅ ① 説明的すぎると登録できない
- 「東京整体院」「おいしい弁当屋」など、内容そのままの説明的名前は識別力がないため、審査で拒絶される or 無効審判で取り消されるリスクあり
✅ ② 被っていない名前か簡易調査しておく
- 他人がすでに登録していると、審査で拒絶される or 無効審判で取り消されるリスクあり
- 他人の登録商標を無断で使用すると、商標権侵害のリスクあり
- 出願前に弁理士による商標調査を受けると安心
弁理士が教える「検索と商標」どちらも強いネーミング戦略
✅ 「内容が連想できる語」の「ユニークな組み合わせ方」で強いネーミングができる
- 例:「熱さまシート(熱さまし+シート)」、「男前豆腐(男前+豆腐)」
- 商標登録しやすく、検索にも引っかかりやすい
✅ SNSアカウント・ドメインとの一括設計が肝
- 名前を決めたあとに「.comが取れない」「Instagramで他人が使ってる」となってやり直しに
- ネーミングと同時に、SNS・ドメイン・商標のチェックを並行して進めるのが理想
まとめ|検索される名前は、商標登録でも有利になる
- 指名検索されやすい名前=「覚えやすく」「入力しやすく」「独自性がある」名前
- 商標登録の観点でも、「識別力があり」「他人と被らない」ことが大切
- 事業名・商品名・サービス名を決めるときは、検索と商標、両方に強い名前を戦略的に選びましょう
✅ 不安があれば、ネーミング初期段階から弁理士に相談するのが成功への近道です。