商標登録と意匠登録、どちらで保護すべき?

商標登録と意匠登録、どちらで保護すべき?

ロゴやパッケージ、アイコン…どの制度で守るべき?

企業ロゴ、パッケージ、アプリアイコンなど、見た目に関する要素をどう保護すべきか、悩む場面は少なくありません。

「商標登録と意匠登録、どう違うのか?」
「どちらで保護すれば、模倣やトラブルを防げるのか?」

この記事では、商標と意匠、それぞれの制度の違いや使い分けについて、商標専門弁理士がわかりやすく解説します。


商標登録と意匠登録の違いとは?

✅ 商標登録:識別マーク(ブランド)を保護する制度

  • 商標登録は、ロゴや名称などを「他人の商品・サービスと識別する」ためのマーク(目印)を保護する制度です。
  • 自他商品・役務の識別機能に重点を置いており、長期的にブランド価値を守るための制度です。

✅ 意匠登録:デザイン(外観)を保護する制度

  • 意匠登録は、物品の形状・模様・色彩やGUIなど、視覚的なデザインそのものを保護する制度です。
  • 模倣品対策としても有効ですが、その根本的な目的は創作されたデザインの保護です。

意匠登録できるのは「物品や画面等のデザイン」

商標と異なり、意匠として登録できるのは、物品・建築物・画像(GUIなど)に係るデザインに限られます。

単にロゴマークとして作成された図形は、意匠登録の対象にはなりません
ただし、アプリのアイコンや商品パッケージなど、具体的な物品や画面の一部であれば、意匠として保護できる可能性があります。


商標登録・意匠登録の比較と使い分けポイント

比較項目商標登録意匠登録
保護対象識別マーク(ネーム・ロゴ)デザイン(形状・模様・GUIなど)
保護の目的ブランド保護デザイン保護
審査基準先願、識別力、公益に反しない等新規性、創作(非容易)性 等
保護期間10年(10年ごとに更新可)最長(登録から)25年
維持費10年ごとの更新料毎年の維持費

弁理士が教えるおすすめの活用戦略

✅ アプリアイコンやパッケージデザインは、二重保護が有効なことも

  • アプリアイコンや商品パッケージの図柄などは、商標登録で識別マークを守り、意匠登録で見た目の模倣を防ぐという併用が効果的な場合があります。

実際に、知財戦略として同じアイコン画像について意匠と商標で両方登録した事例もあります↓

同じアイコン画像を意匠と商標の両方で権利化する理由
※2022年2月1日配信メルマガVol.161より抜粋(一部加筆修正あり) アプリ等のアイコン画像の意匠登録 令和元年の法改正により、「画像の意匠」も登録できる…
samuraitz.com

✅ どちらを選ぶか迷ったら、弁理士に相談を

  • ロゴやデザインがどちらの制度に適しているか、実際の使用形態・競合状況・事業戦略に応じて判断する必要があります。
  • 弁理士なら、出願の順序・範囲、リスク対策まで含めた知財戦略の提案が可能です。

まとめ|ブランドを守るには、制度の正しい選択がカギ

  • ロゴやデザインを守る方法はひとつではありません。商標と意匠の制度を理解し、適切な使い分けが重要です。
  • 「ブランドとしての認知」を守るなら商標、「形状や画面の特徴」を守るなら意匠。
  • 判断に迷う場合は、商標・意匠の両方に精通した弁理士にぜひご相談ください。